腸活で注目のココアのポリフェノールとプレバイオティクスによる健康への影響
世界中で人気の飲み物の一つであるココアは、ポリフェノールの宝庫として近年注目が集まっています。
ポリフェノールは、抗酸化作用と抗炎症作用を発揮し、健康増進効果があることで知られています。
カカオポリフェノールは腸に到達すると、腸内細菌叢と相互作用します。
そして、腸内フローラを調節し、プレバイオティクスの役割を発揮する環境づくりを担います。
乳酸菌やビフィズス菌などの有益な腸内細菌の増殖を促進し、反対に病原菌の数を減らすこともわかっています。
また、カカオ代謝物は腸の健康を高め、抗炎症作用を示し、免疫にプラスの影響を与え、さまざまな病気のリスクを減らすことができるとも言われています。
カカオポリフェノールと腸内細菌叢の相互作用と、それらのさまざまな健康上利点を探ります。
ココアのカカオポリフェノールについて
カカオは、その心地よい味と多くの健康効果により、世界中で消費されています。
カカオのポリフェノールは、健康増進効果と強く関連しています。
具体的には効果的な抗酸化作用と抗炎症作用があり、いくつかの健康上の利点に関連するさまざまな関連経路と相互作用します。
研究により、カカオとその製品の摂取が心血管疾患や代謝障害のリスクを軽減し、免疫系や神経系にプラスの影響を与え、がんのリスクを防ぎ、全身および腸の抗炎症作用を示すことが実証されてもいます。
近年では、カカオポリフェノールと腸内微生物叢の相互作用についても研究が盛んになっています。
食事は、腸内細菌叢の構成と機能に大きな影響を与えます。
ポリフェノールは、腸内細菌叢と双方向に相互作用し、微生物を増殖することでも知られています。
同様に、カカオポリフェノールは、いくつかの細菌の増殖を促進し、潜在的に病原性の細菌を阻害することでも知られています。
カカオポリフェノールと腸内細菌叢
カカオポリフェノールが腸内細菌叢をどのように形成し、微生物がポリフェノール代謝と人間の健康にどのような影響を与えるのでしょうか？
最近の研究では、ポリフェノール代謝物の一部が、病原性腸内細菌に対してプレバイオティクス効果と抗菌作用を示すことにより、微生物叢を変化させる可能性があることが指摘されているようです。
多くの腸内細菌種のうち、大腸菌、ビフィズス菌、ラクトバチルス属菌、バクテロイデス属菌、ユーバクテリウム属は、カカオのポリフェノール代謝の大部分に関与していることが示されています。
ポリフェノールによって、乳酸菌やビフィズス菌などの有益な腸内細菌の増殖を促進し、病原菌(例えば、クロストリジウム・パーフリンゲンスなど)の数を減らすことがわかっているようです。
ココアパウダーと腸内細菌叢の相互作用
ココアパウダーと腸内細菌叢の相互作用と、プレバイオティクス効果に関連する健康上の利点についても日々研究が実施されています。
乳製品にココアパウダーを添加すると、リスクを高めることなくプロバイオティクス細菌の増殖が促進されることもわかっているようです。
ちなみに3%のココアパウダーを摂取すると、乳酸菌や牛乳に含まれる他の細菌など、有益な細菌が豊富に刺激されたことも研究で示されています。
対照的に、3つの主要な食物病原体である大腸菌腸管出血性O157:H7(EHEC)、ネズミチフス菌、およびリステリア菌の増殖は、摂取後9時間以内に阻害されたことも報告されています。
特にココアパウダーは、これらの病原体の付着を特に減少さたこともわかっているようです。
こうした数々の研究から、カカオが豊富な食品は、腸の免疫系を正に調節することがわかっています。
また、ココアパウダーは腸内細菌の代謝産物を変化させ、豚の乳酸桿菌群とビフィズス菌群の増殖を増加させたことも研究結果で報告されています。
植物化学物質であるテオブロミンと繊維が豊富なココアを含む食事は、ポリフェノールよりも腸内細菌叢により効果があることが報告されているようです。
まとめ
ココアとその製品は、主にポリフェノール含有量により、多くの健康上の利点があることが実証されています。
いくつかの実験的および臨床的研究により、ラクトバチルスやビフィズス菌などの有益な細菌の増殖を促進する一方で、有害な細菌の種の数を減らすというプレバイオティクス効果が報告されています。
また、カカオ消費の健康増進効果は、主に抗酸化作用と抗炎症作用を通じて、多くの研究で観察されています。
今後もカカオポリフェノールと腸内細菌の相互作用についてはより多くの研究が必要と考えられています。
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