コーヒーは炎症を軽減する?それとも炎症を引き起こす?
コーヒーは世界中で最も消費されている飲料の1つです。
コーヒーには抗酸化物質などの有益な化合物が含まれており、炎症を軽減するのにも役立つと考えられています。
また、コーヒーを飲む回数が多い人の方が、ある一定の疾患のリスクを下げてくれていて、その結果として身を守ってくれているという報告もあります。
しかし、同時に毎日飲みすぎるとコーヒー豆の酸化やカフェインをはじめとする成分などによる原因で、悪影響が出る可能性が報告されているのも確かでです。
炎症に対するコーヒーの効果と、カフェイン抜きのいわゆるデカフェやディカフェと呼ばれるコーヒーにも同じ効果があるかどうかを探ります。
コーヒーに含まれる混合物
コーヒーには、軽度の炎症を軽減し、特定の病気から保護するのに役立つ抗酸化作用と抗炎症作用を持つ活性化合物が含まれているとされています。
具体的には、カフェイン、クロロゲン酸 (CGA)、カフェストール、トリゴネリン、カーウェオールなどの活性化合物の複雑な混合物が含まれています。
研究によると、コーヒーに含まれる化合物には強力な抗酸化作用と抗炎症作用があり、健康に役立つ可能性が高いことが示唆されています。
コーヒーを飲むことで、2型糖尿病、心臓病、さらには特定の種類の癌などの病気のリスク低下と関連していることが報告されており、さらなる研究が進められています。
炎症に対する効果
先にもお伝えした通り、現在の研究では、コーヒーが少なくとも特定の人において炎症を軽減するのに役立つ可能性があることが示唆されています。
ある研究では、定期的にコーヒーを飲む人は、定期的に飲まない人よりも炎症のレベルが低かったそうです。
別の研究では、コーヒーを定期的に飲む人に、1か月間コーヒーを控えるよう依頼したところ、炎症マーカーレベルが6%増加したとの報告でした。
また、同じ期間、1日当たり(0.9~1.9リットル)のコーヒーを摂取するように依頼したところ、炎症マーカーが8〜16%減少たようです。
他にもコーヒーやカフェイン成分の影響に関する様々な研究をレビューしたところ、コーヒー摂取には主に抗炎症効果があることがわかったとのことでした。
一方で、コーヒーが一部の人々の炎症を増加させる可能性もあるようです。
炎症は、頻繁に感染症にかかる、疲労、痛み、消化器系の問題など、さまざまな影響を引き起こす可能性があるとの報告があります。
コーヒーを飲んでいるときにこれらのいずれかの症状を感じた場合は、摂取量を減らして効果があるかどうかを確認することを検討したほうが良さそうです。
カフェインレスコーヒーにも同じ効果がある?
炎症に対するカフェイン入りコーヒーとカフェイン抜きコーヒーの効果を比較した研究はあまり存在していないようです。
しかし、あるレビューでは、コーヒーは一般的に炎症を軽減する傾向があるが、カフェインサプリメントには同じ効果が得られないようであると報告されているようです。
これは、コーヒーに含まれるカフェイン以外の化合物がこの飲料の抗炎症作用に関与している可能性があることを示唆しています。
カフェインレスコーヒーには、カフェインを除いてコーヒーと同じ有益な化合物が含まれています。
そのため、通常のコーヒーと同様の抗炎症効果が期待できると考えられているようです。
まとめ
コーヒーは、フラボノイド類を含む抗酸化物質やその他の有益な化合物が豊富に含まれる人気の飲み物です。
研究によると、たとえ少量であってもコーヒーを飲むと炎症を軽減できる可能性があります。 これにより、2型糖尿病、心臓病、さらには特定の種類のがんなど、特定の病気のリスクが低下する可能性があります。
一方で、コーヒーは人によっては炎症を増加させる可能性があります。 これが自分に当てはまると思われる場合は、コーヒーの摂取量を減らすか制限することを検討して、それによって炎症関連の症状が改善されるかどうかを確認することが大切です。
カフェインレスコーヒーには、通常のコーヒーと同じ炎症を抑える効果がある可能性があると考えられています。
ただし、これを確認するにはさらに多くの研究が必要と考えられています。
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