女性の更年期障害と炎症を抑える方法?
更年期障害は、多くの中高年の女性を悩ませる健康問題の一つです。
月経が止まる直前の数年と定義される更年期を迎えた多くの女性では、女性ホルモンのエストロゲンが低下します。
これにより、ほてりや、気分の変化をはじめとした多くの更年期障害の症状を引き起こすことが良くあります。
この時、女性は自分の体が自分ではないように感じるようなこともあるようです。
これには、エストロゲンの低下による軽度の炎症が関連しているようです。
更年期障害の症状
一般的に、女性が最後の月経を迎える年齢は50歳前後です。
しかし、更年期障害に関連する症状は、数年前に始まり、ずっと後にも続くことがあるようです。
これには、ホルモンであるエストロゲンの減少が大きくかかわっています。
というのもほぼすべての臓器にエストロゲン受容体が含まれているため、ホルモンの変動が体のあらゆる部分に影響を与えるからです。
エストロゲンには抗炎症作用がありますが、このエストロゲンが減ってしまうことにより、すべての細胞につながる軽度の炎症の連鎖も引き起こすこととなるようです。
こうした理由から、更年期の状態は「炎症性」と表現されることもあるそうです。
ホルモンの低下や炎症は、特に次のような体の部位で症状を引き起こす可能性があります。
-消化管
炎症はリーキーガットと呼ばれる状態と関連しており、細菌が腸の粘膜から浸透し、消化器系の問題を引き起こしたり、過敏性腸症候群の症状を悪化させたりする可能性があります。
また、閉経期に胸焼けや胃食道逆流症の症状に悩まされる女性も多くいることも研究で明らかになっています。
-皮膚
乾燥や薄毛などの変化は、更年期障害の頃によく見られます。
発疹や古傷の悪化、乾癬の再燃も増加します。
-関節
関節のこわばりや痛み、腫れも、更年期障害による炎症に関連している可能性が高いようです。
ある研究では、女性の半数以上が閉経前後に関節痛に対処していることがわかったそうです。
-目
女性の10人に6人以上が、閉経前後に目の乾燥やかゆみなどを特徴とするドライアイ症候群を発症するようです。
2017年の研究によると、性ホルモンのバランスの変化は、目を潤ませる「涙液膜」に影響を与えると考えられています。
-耳
平衡感覚に欠かせない内耳も、ホルモンの変化により影響を受け、めまいなどにつながる可能性があるようです。
-心
更年期障害期には多くの女性が動悸やイライラを感じるようです。
この症状は、根本的な心臓の問題を示している可能性があるため、注意深く対応する必要があるようです。
-アレルギー
花粉症が突然始まったり悪化したりするだけでなく、これまで気にしたことのない食品にアレルギーがあることに気づくかもしれません。
これは、ホルモンの変動により体内のヒスタミン産生が急増し、アレルゲンによって引き起こされるとかゆみや腫れなどの症状を引き起こす可能性があるためです。
炎症を抑える方法
ホルモンの低下が落ち着くのを待つ間、炎症を抑えることができるのでしょうか?
たとえば、次ような方法にヒントがあるようです。
-いろいろな種類の果物や野菜を食べる。
野菜や果物には抗炎症作用があります。
抗酸化物質が豊富な鮮やかな色の果物や野菜を沢山食べることは炎症と戦うのに役立つ可能性があります。
おすすめの果物や野菜はブロッコリー、カリフラワー、ニンジン、葉物野菜、ベリー、リンゴ、ピーマンなどです。
植物性食品を意識して摂るようにすると良いようです。
-パッケージ商品を減らす
クッキー、パスタ、シリアル、インスタント食品などの箱入り商品には炎症を悪化させる加工糖や炭水化物が含まれていることがよくあります。
甘いものは果物から摂取したり、手作りしたりなどの工夫も必要そうです。
-健康的な脂肪を摂る
マグロ、サーモン、イワシなどの魚油や亜麻仁やクルミなどには、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸が含まれています。
-スパイスを効かせる
たとえばカレーに含まれるインドのスパイスであるターメリックの主成分であるクルクミンには抗炎症作用があることがわかっています。
-ストレスを管理する
ヨガ、読書、瞑想、音楽鑑賞、屋外での散歩などの心を落ち着かせる活動は、血流中の炎症マーカーを下げることができるとも言われています。
-定期的に酸素運動をする
有酸素運動は、ストレスとともに炎症レベルを下げることが研究によりわかっているようです。
-喫煙や過度の飲酒は避ける
閉経期によく眠れないときなどにアルコール摂取が増え始めることもよくありるようです。
しかし、これは反対に睡眠を妨げ、気分の悪化を引き起こす可能性があるため、できるだけ控えたほうが良さそうです。
更年期障害は病気ではありませんが、病気とよく似ている側面があるようです。
これらの症状に悩まされている女性が更年期障害との関連性を理解するまでには、1年以上かかることが多との見方もあるようです。
これらの不調を少しでも軽減するために、炎症を抑える方法をぜひ参考になさっていただけると幸いです。
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