アルコールを減らして睡眠を増やす方法?
飲酒については、世界中で色々な研究が進められています。
そんな中、アルコール摂取と睡眠の質に及ぼす影響については常に注目が集まっています。
飲酒の習慣、そしてそれに伴う睡眠の習慣を知ることで、生活習慣をを変えたくなるかもしれません。
アルコールが睡眠や健康に与える影響を探ります。
アルコールが健康に及ぼす悪影響
「酒は百薬の長」と言われていた時代は過ぎ、アルコールが健康に及ぼす悪影響は数多く知られています。
早期老化のなどの見た目の変化から、ガンなどの重篤な疾患に至るまで、アルコール飲料には私たちの健康に悪影響を与える可能性のあるさまざまな有害作用が隠されているようです。
アルコールの影響は、必ずしも大量飲酒やアルコール依存症に陥った人にのみ影響を与えるわけではありません。
たとえば、最近の研究では、たった1杯のアルコール飲料でさえ寿命が縮む可能性があることが示唆されているようです。
また、少量の飲酒をする人であっても、アルコール摂取によりがんのリスクがあることが示唆されています。
アルコールと睡眠の質との関連
ある研究で、18歳から65歳までの男女4,098人の、少なくとも2晩の睡眠記録データを調べたそうです。
1日目は参加者がアルコールを摂取し、もう1日はアルコールを摂取していませんでした。
この睡眠記録では、心拍間の時間の変動、つまり自律神経系によって調節される変動を測定します。
自律神経系は交感神経系と副交感神経系から構成されます。
交感神経は「闘争・逃走反応」を、副交感神経は「休息と消化」状態を担当します。
この睡眠記録測定では、参加者の安静状態の質を評価することを目指しました。
まずは、アルコールを飲んだ後の参加者の最初の3時間の睡眠が調査されました。
その際のアルコール摂取量は、参加者の体重に基づいて計算された「低」、「中」、「高」のカテゴリーに分類され研究されたようです。
その結果、アルコールが睡眠の回復の質を低下させることが明らかになりました。
具体的には、アルコール摂取量が少ないと、睡眠によって通常得られる回復が9.3パーセント減少したそうです。
また、この研究ではたとえ1杯の飲み物でも睡眠の質を損なうことが示されています。
これらの結果は男性と女性で同様であり、アルコール摂取は座りっぱなしの人も活動的な人も同様に影響を及ぼしたようです。
興味深いことに、アルコールの有害な影響は、高齢者と比較して若者の間でより顕著だったようです。
この結果により、若いからと言ってアルコールには十分に注意が必要であることがわかります。
たとえ若くて活動的であったとしても、睡眠中は依然としてアルコールの回復に対する悪影響を受けやすいことが示されています。
お酒を控えて睡眠時間を意識する
現代人はストレスも多く、それをお酒で紛らわせると言った行動にも頷けるものもあります。
ですが、アルコールの睡眠への影響を考えると、飲酒によってますますストレスや疲れが蓄積する原因となるのではないでしょうか・
常に睡眠時間を何時間も増やすことはできないかもしれません。
しかし、私たちの行動が睡眠の質にどのような影響を与えるかを考えることで、より効率的に眠ることができるようになるかもしれません。
飲酒を控えて、次のような行動をとることが睡眠の質につながるかもしれません。
-寝る前にはテレビやスマホを見ない
-日中は出来るだけ体を動かす
-夕方以降のカフェインの摂取量に注意する
-就寝の一時間以上前に、ぬるめの湯船にゆったりとつかる
-夜は明かりを暗めにしてリラックスできる状況を作る
-お酒の代わりにハーブティーやホットミルクを飲む
お酒を減らして睡眠時間を増やすことにより、私たちの生活の質が上がることは間違いないようです。
日本では飲酒のガイドラインが見直されていますが、これを機に、普段の自宅でのお酒との向き合い方にも注意してみてはいかがでしょうか。
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