毎日のナッツ類が脳の炎症を抑えうつ病のリスクを下げる?
ナッツ類が身体に良いことは知られていますが、毎日ナッツ類を食べることでうつ病のリスクを下げることができるのでしょうか?
研究によると、ナッツ類と脳の炎症には関連性がある可能性があるようです。
ナッツ類と脳の炎症との関連について探ります。
一つかみのナッツ類がうつ病を遠ざける!?
ナッツ類とうつ病などの気分障害にはどのような関係があるのでしょうか?
ある研究結果では、アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ブラジルナッツなどのナッツ類を1日あたり30グラム摂取した中高齢者は、うつ病を発症する可能性が低下したことが示されました。
この新しい研究では、毎日一掴みのナッツを食べることでうつ病のリスクが17%低下することが示されてたようです。
研究には多くの中高年者が参加したようですが、その生活スタイルなどに関係なく、同様の効果が示されたようです。
ナッツ類の抗炎症作用と抗酸化作用
ナッツ類には、抗炎症作用や抗酸化作用に関連する可能性のある化学物質が含まれており、その作用が精神的健康の改善につながるようです。
ヒューストンUTヘルス校の精神医学助教授ロケシュ・シャハニ博士によると、ナッツ類の栄養成分に関連する抗炎症作用と抗酸化作用は、うつ病のリスクを軽減する上で重要な役割を果たす可能性があるそうです。
ナッツ類にはアミノ酸が豊富に含まれており、これが気分の調節に役立つ可能性があります。
アミノ酸の中でも、ナッツ類にはアルギニン、グルタミン、セリン、トリプトファンが豊富に含まれています。
これらのアミノ酸が体内で不足することはうつ病のリスクを上げることと関連している可能性があるようです。
また、ナッツ類には、ビタミンEやオメガ3脂肪酸などの抗酸化物質も含まれています。
これらの栄養素は、脳を含む体全体の炎症を防ぐことでも知られています。
研究によると、脳内の炎症が認知症やうつ病などの多くの病気の原因であると考えられています。
このことからも、ナッツ類を食べることで脳の炎症を抑え、うつ病のリスクを下げる可能性があることがうかがえるかと思います。
脳と食事
食事が気分や脳に及ぼす影響は、ナッツ類だけではなくいろいろな食事法についての多くの研究においても証明されています。
たとえば、精製糖(白い砂糖)と飽和脂肪の多い食事と認知機能障害との関連性が発見されています。
場合によっては、このような食事がうつ病などの気分障害の症状を悪化させる可能性もあります。
また、地中海食と典型的な西洋食を比較したある研究では、地中海食はうつ病のリスクを軽減する可能性があるのに対し、西洋食はうつ病のリスクを高める可能性があることが示されました。
地中海食は地中海地方の伝統的な食事で、野菜、果物、未加工の穀物、魚介類を豊富に摂取し、赤身の肉や乳製品は控えめにする食事方法です。
地中海式食事法は、多くの健康に良いという効果が示されていますが、脳に関しても信頼できる情報源がそれを裏付けているようです。
また、一方で毎食加工食品を食べるなどの食生活が続くと、脳の炎症が増加し、憂鬱で不安な気分を助長するきっかけとなってしまうかもしれません。
これらの食事と脳との関連は、腸と脳のつながりにより、私たちの精神的健康や認知機能に大きな影響を与えることが示唆されています。
私たちの腸と心がつながっていると言っても良いかもしれません。
まとめ
一つかみのナッツ類を毎日食べることで、うつ病や気分障害のリスクを遠ざけることができるかもしれません。
ナッツ類には抗炎症作用や抗酸化作用がある化学物質が豊富に含まれており、これが脳の炎症を抑え精神的な健康の改善につながっているようです。
腸と脳はお互いに影響しあっていると考えられているため、炎症を抑える食事や腸の健康に良い食事をとることも、うつ病の予防に関連しているようです。
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引用文献:
Eating nuts on a daily basis linked to 17% lower depression risk