女性の閉経と甲状腺機能低下との関係?
甲状腺は、喉の前にある小さな蝶の形をした臓器です。
甲状腺によって生成されるホルモンは、体内のほぼすべての組織や器官に影響を与えます。
甲状腺ホルモンの産生が多すぎたり少なすぎたりすると、さまざまな症状が引き起こされることがありますが、その中には閉経期または閉経期に入った女性が経験する症状とよく似た症状もあるようです。
女性の閉経と甲状腺機能低下との関連性について探ります。
エストロゲンと甲状腺
閉経とは、女性の生理が止まり、妊娠することができなくなる状態を指します。
閉経周辺期には様々な不調が現れることがありますが、その症状の中には、甲状腺機能低下症の症状と似ているものがあるようです。
これは、甲状腺機能と女性の主要な性ホルモンであるエストロゲンとの関係によるものと考えられています。
閉経に至るまでの期間、エストロゲンホルモンの量が大幅に低下し、それが甲状腺に影響を及ぼすのではないかとみられているようです。
甲状腺機能低下と更年期障害の症状
甲状腺機能低下症(甲状腺機能低下症)と更年期障害の症状は非常によく似ているため、区別することが難しい場合があります。
更年期障害と甲状腺機能低下症のそれぞれの症状を見ていきましょう。
・更年期障害の症状例:
-ほてり
-寝汗
-頻尿
-月経または性欲の変化
-膣の乾燥
-睡眠困難
-不機嫌
-物忘れ
-体重の変化
更年期障害は多くの場合、女性が45~55歳に達すると始まります。
・甲状腺機能低下の症状例:
-寒さ
-乾燥肌
-便秘
-月経周期や性欲の変化
-不機嫌
-物忘れやうつ病
-体重の変化
甲状腺疾患は、どの年齢でも発症する可能性があります。
甲状腺の活動亢進
一方で、閉経期の女性は、甲状腺機能亢進症を発症しやすくもなるそうです。
こちらは甲状腺機能低下ほど一般的ではないようですが、次のような更年期障害と同様の症状が現れることがあるようです。
・甲状腺機能亢進症の症状
-ほてり
-暑さ
-動悸
-脈が速くなる
-不眠症
-体重減少
-甲状腺肥大
甲状腺と閉経に伴う合併症のリスク
甲状腺の問題は、閉経に伴う合併症のリスクを高める可能性があるそうです。
たとえば、閉経期には、女性は骨密度が減少する骨粗鬆症を発症する可能性が高くなりますが、甲状腺が過剰に活動している場合も、同様のリスクが高まる可能性があります。
他にも、閉経期には心血管疾患のリスクが増加しますが甲状腺の状態も同様にリスクを高めると言われています。
このように、甲状腺の問題が相互作用して、閉経期に合併症が発生する可能性が高まる可能性があります。
このため、女性が甲状腺機能低下または更年期障害に関連する症状を感じている場合は、甲状腺ホルモンの状態を時々再検査することが重要です。
大豆サプリメントのリスク
大豆サプリメントは、閉経期に移行する女性に人気のサプリメントとして注目されつつあります。
英国甲状腺財団によると、甲状腺機能が正常な女性に大豆が影響を与える可能性は低いと示唆していますが、甲状腺機能に悪影響を与える可能性を鑑みると、閉経期に移行する女性にの大豆サプリメントの使用には注意したほうが良いかもしれません。
もし、甲状腺機能が境界線の状態にあり、ヨウ素を十分に摂取していない女性が大豆をたくさん食べると、甲状腺機能低下のリスクが高まる可能性があるそうです。
甲状腺機能が低い女性が大豆サプリメントの摂取を検討する場合は、ヨウ素を十分に摂取していることを確認するなどの工夫をされた方が良いかもしれません。
大豆が甲状腺薬の吸収を妨げる可能性があるという証拠があるため、甲状腺薬の投与量も調整する必要があるかもしれません。
このように、甲状腺の機能低下と閉経の関係とても非に複雑で、多くの要因が関係しています。
ですが、甲状腺ホルモンの治療と調節により、甲状腺機能低下症の患者に対する見通しは非常に良好のようです。
自身の症状と向き合い、必要に応じて甲状腺機能の確認などにより、不安を減らすことができるかもしれません。
また、わかにくい点ことが多いため、専門家に相談をしながらすすめることがおすすめといえます。
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引用文献:
Is there a link between menopause and an underactive thyroid?