女性の乳がんに対するアルコールの影響とその他の危険因子
女性に多く見られる乳がんは世界的にも増えてきていますが、乳がんの危険因子の一つにアルコールがあるかもしれません。
アルコールの乳がんへの影響や、乳がんと関連するその他の危険因子にはどのようなものがあるかを探ります。
乳がんとアルコール
乳がんは、乳房内の細胞が制御不能に増殖して腫瘍を形成することにより発症します。
米国癌協会では、米国の女性で最も一般的な種類の癌は乳がんで、米国の女性の約8人に1人が乳がんを発症するというデータもあるようです。
乳がんの危険因子には様々なものが考えられます。
その中には、人がコントロールできるものと出来ないものがありますが、アルコールに関してはコントロールできるものとして注目されているようです。
1987年の研究報告において、アルコール摂取は、適度な摂取量であっても、乳がんのリスクと関連してることが報告されています。
また、摂取するアルコールの種類についても報告されています。
ワイン、ビール、スピリッツに関して調査された結果、お酒の種類によって危険度が高まるわけではなく、どの種類のお酒であっても乳がん発症のリスクは高まることがわかっているようです。
コントロールできない乳がんの危険因子
人がコントロールできない乳がんのリスク要因としては、次のようなものがあります。
-年齢
乳がんを発症するリスクは年齢が上がるにつれて細胞に微細な異常が起こる可能性が高くなることからも、増加することがわかっています。
乳がんは特に、50歳以上の女性に最も多く見られ、米国立がん研究所によると、55~64歳の女性が最も多いようです。
-性別
乳がんは男性でも女性でも発生する可能性がありますが、報告によると女性は男性よりも乳がんを発症する可能性が100倍も高いとのことです。
-乳房の密度
乳房には脂肪組織と結合組織が含まれており、脂肪組織よりも結合組織が多いと「乳房の密度が高い」と表現されるそうです。
マンモグラフィーで乳房の密度が高い女性は乳がんを発症する可能性が高くなることが報告されています。
-遺伝子変異
遺伝子も、乳がんの可能性を高める要因の一つとなる可能性があります。
乳がんの家族歴があると、その人自身が乳がんを発症するリスクが高まることがわかっています。
また、以前に乳がんを患ったことのある女性は、もう一方の乳房または同じ乳房の別の部分に乳がんを発症するリスクがありまることも報告されています。
-月経および生殖歴
若い年齢で月経が始まったり、閉経が遅くなったりすると、乳がんのリスクが高まる可能性があることも報告されています。
-放射線治療を受けたことがある
30歳未満に胸部への放射線療法を受けた女性は、乳がんを発症する可能性が高くなるようです。
特に、放射線治療を受けたのが10代だった人ではリスクが最も高くなるそうですので注意が必要と言えそうです。
コントロールできる乳がんの危険因子
アルコール摂取以外にも、いろいろな生活習慣の要因により、乳がんのリスクが高まる可能性があります。
例えば、次のような生活習慣が挙げられます。
-運動不足
運動不足の場合、乳がんのリスクが高まることがわかっています。 強度は弱くても定期的に運動することが大切そうです。
-ホルモンの摂取
一部の種類のホルモン補充療法やピルの使用は、乳がんのリスクを高める可能性があることがわかっています。
-閉経後の過体重
閉経後、過体重の人は乳がんを発症する可能性が高くなります。
健康的な体重を維持することにより、乳がんのリスクを軽減するのに役立つ可能性があります。
まとめ
アルコール摂取は、適度な摂取量であっても、乳がんの発症リスクに注意が必要と言えそうです。
また、年齢的に40~49歳の人、特にその他の要因において乳がんのリスクが高い人は、定期的に検査を受けることをお勧めしたいと思います。
関連記事:
女性の乳がん予防におすすめの役割と食品栄養素
乳がん予防と確率を下げる体重や体脂肪とBMIおすすめ
アルコールが腸を傷つけガンを引き起こす?
引用文献:
Alcohol’s Effects on Breast Cancer in Women
What is the link between age and breast cancer?