アルコールが腸を傷つけガンを引き起こす?
世界中で毎年約300万人がアルコールの使用に関連して亡くなっているという報告が話題となっています。
アルコールを摂取すると、たとえ適量であっても、健康に悪影響を与える可能性があると伝えられ、賛否両論の意見が飛び交っています。
今回は、特にアルコール関連腸疾患として知られる、アルコールが小腸と大腸に与える影響には注目が集まっているようですので、その点にフォーカスを当ててみます。
アルコールがどのように腸を損傷するか、また、がんを引き起こす可能性があるかを探ります。
アルコールは腸にどのような影響を与えるか?
アルコールを飲むと、アルコールはすぐに胃腸系に影響を及ぼし始めると述べられています。
まず、胃ではアルコールが血流に吸収され始めます。
胃の中に食べ物があまりない場合、残ったアルコールはすぐに腸に入り、そこで血流に引き込まれ続けます。
アルコールが血流に入ると、そのまま体中の臓器に運ばれていき、そこで影響を及ぼすと考えられています。
また、人の血流中のアルコールの量は、血中アルコール濃度として知られています。
アルコールが体内に入ると、すぐに体内で代謝が始まりますが、アルコールに含まれるエタノールは、肝臓で「アセトアルデヒド」と呼ばれる発がん性物質に分解されます。
このアセトアルデヒドが、胃腸疾患やがんのリスクを大幅に高める可能性があるとの見方が強まっているようです。
アルコール関連腸疾患とは?
アルコール関連腸疾患は、過剰なアルコール摂取による腸の機能不全のことです。
アルコール関連腸疾患がどのようにして起こるかは完全には理解されていないようですが、エタノールと、それが生成する代謝産物であるアセトアルデヒドや酢酸塩の代謝が関与していると考えられているようです。
エタノール代謝によって生成されるアセトアルデヒドや酢酸塩は、腸内マイクロバイオームの変化などを引き起こし、腸を損傷する可能性があるようです。
以前の研究では、飲酒は胃がんの発症の可能性の増加と関連していることが示されています。
また、結腸直腸がんのリスクが高いこととも相関しています。
特に1日3杯以上のアルコールを飲む人は、胃がんや結腸がんのリスクが高くなる可能性が高まると伝えています。
腸内細菌に対するアルコールの影響
一方で、腸内細菌に対するアルコールの影響についても研究が行われています。
特に、マイクロバイオームに注目が集まっています。
その理由は、マイクロバイオームは、臓器と相互作用する可能性があることが認識され始めているためのようです。
アルコールがマイクロバイオームを変化させ、細菌を変化させるということのようです。
これらの細菌は、腸壁に直接ダメージを与える物質を生成しますが、血液を通じて肝臓に浸透し、そこでダメージを引き起こす可能性もあるようです。
腸の健康を守る方法
アルコールの乱用はさまざまな形で体、特に腸にダメージを与えると考えられています。
そのため、アルコールを避ける行動をして飲酒量を減らすことができれば、それが腸の健康ともつながっていくことが考えられます。
また、アルコールを避けること以外にも、健康的な食事、赤身肉を食べすぎない、繊維の多い野菜中心の食事、地中海食などは、腸の機能を強化し、健康を維持する可能性があります。
アルコールを摂取することでストレスの解消になることも報告されています。
そのため、過度な飲酒だけでなく、適量の飲酒においても、腸に影響を与えることを理解しながらたしなむことがおすすめです。
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