成長や免疫にも関連の深いミネラル栄養素、亜鉛欠乏症を防ぐ
亜鉛は人の成長と発達をサポートする重要なミネラル栄養素です。
そのため、亜鉛は妊娠中の女性だけでなく、成長期の子供にとっても必須と言えます。
人の体には亜鉛が貯蔵されることはありません。そのめ、欠乏症を防ぐには食物から十分に摂取することが重要です。
亜鉛の大切さや、亜鉛の最適な補給方法などについて探ります。
亜鉛は体内でどのような働きをする?
亜鉛は体の中でどのような働きをするのでしょうか?
栄養素としての亜鉛は、体のあらゆる細胞の分裂を助け、創傷治癒を促進する可能性が報告されています。
また、細胞機能をサポートし、100種類以上もの酵素がその役割を果たすのを助けます。
これらの亜鉛の特徴によって、次のような健康上の役割を果たすことがわかっています。
-成長と発達をサポートする
亜鉛欠乏は成長不良と関連しすることがわかっています。
研究によると、亜鉛の補給により子供の成長率が増加したことが確認されているようです。
-免疫機能を高める
亜鉛と風邪などのウイルス性疾患との関連もわかっています。
特に風邪の場合に1日あたり75mg以上亜鉛を摂取すると、症状の重症度が大幅に軽減されることが示されています。
-創傷治癒を促進する
亜鉛は皮膚の構造を維持する役割を持つことがわかっています。
-加齢に伴う慢性疾患や感染症のリスクの減少
亜鉛は、55 ~ 87 歳の人々の慢性炎症を軽減することが証明されています。
そのほか、下記のような効果にも期待されています。
-嗅覚と味覚を維持する
-生殖能力サポート
-下痢治療のサポート
亜鉛欠乏症の症状と原因とは?
亜鉛の欠乏症を防ぐためには、一日の推奨摂取量を満たすことが大切です。
亜鉛の1日あたりの推奨摂取量は、成人女性の場合は1日あたり8mg、成人男性の場合は1日あたり11mgとされています。
一般的な亜鉛欠乏症の症状には、次のようなものがあります。
-食欲不振
-予想よりも成長が遅い
-免疫系機能の低下
-性的成熟の遅れ
-下痢
-目と皮膚の病変
-無気力感
-味感異常
-脱毛
-傷の治りが悪い
-原因不明の体重減少
また、亜鉛欠乏症には、次のような要因があると考えられているようです。
-食事を通じて十分な亜鉛を摂取していない
-吸収不良などにより、過剰な量の亜鉛が体内から失われる
-以下のような慢性疾患がある
(アルコール依存症・癌・セリアック病・慢性腎臓病・慢性肝疾患・クローン病・糖尿病・膵臓疾患・鎌状赤血球症・潰瘍性大腸炎)
-ベジタリアンである
亜鉛を多く含む食べ物と食べ方のコツ
亜鉛は食事から効率よく摂取することが求められます。
亜鉛を多く含む食べ物には、豆、動物の肉、魚介類、ナッツ、全粒穀物、乳製品があります。
亜鉛は、食べ方によって吸収が良くなったり悪くなったりする場合があるようです。
フィチン酸塩、銅、カルシウム、葉酸はすべて、体の亜鉛吸収能力を妨げる可能性があるため、それらを含む食事の際は留意が必要そうです。
一方、赤ワイン、ブドウ糖、乳糖、大豆タンパク質と一緒に摂取すると、亜鉛の吸収が増加することがわかっています。
亜鉛を吸収を良くするためには、、これらを含む飲み物を食事に取り入れることも良いかもしれませんね。
大切なことは、毎日コツコツ亜鉛を摂取して、亜鉛欠乏症にならないことです。
どうしても食事で亜鉛を補えないといった場合は、サプリメントを取り入れることも検討されても良いかもしれません。
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引用文献:
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