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腸脳軸は腸と脳のコミュニケーション経路

2023年06月15日

健康は腸内環境に食べ物や食事で

ご存じの通りプロバイオティクスは、私たちに健康上の利点をもたらしてくれる生きた微生物です。

プロバイオティクスを適切な量で摂取すると、さまざまな健康上の利点を享受できることが報告されています。

また、私たちの腸内に棲む微生物の状態が多くの精神疾患に関与していることが示唆されています。

腸と脳の関係に関しては、近年とても注目が集まっているようです。

プロバイオティクスと腸-脳軸に焦点を当て、うつ病や不安症などの治療との関連を探ります。

腸内細菌叢とメンタルヘルスとプロバイオティクスと脳の関係は?

腸内細菌叢は、ヒトの胃腸管に生息する細菌やウイルス、真菌などの複雑な集合体を指します。

体内の細菌の数は約40兆個以上とも言われ、人間の細胞の数をも上回るとされていますが、中でも微生物が多く棲んでいるのは腸です。

腸内細菌叢と体内に生息する微生物と、末梢神経系や中枢神経系の間には、複雑な通信システムがあります。

これは微生物叢-腸-脳軸と呼ばれ、末梢神経系から脳へ、またその反対に脳から末梢神経系へ、情報を絶えず伝達するコミュニケーションツールとなっているようです。

これを利用し、腸内細菌叢のバランスを変更することで、メンタルヘルスの症状の治療と改善に使用できることが研究されています。

腸内微生物叢を通じてメンタルヘルスを改善するために重要な要素となるのは以下の通りです。

-プレバイオティクス(繊維が豊富な食事への変更)

-プロバイオティクス(生きた微生物)

-シンバイオティクス(プレバイオティクスとプロバイオティクスの組み合わせ)

-ポストバイオティクス(短鎖脂肪酸などの細菌発酵産物)

-糞便微生物叢移植

これらによって少しずつ腸内環境を整えることにより、脳へその情報が伝わり、メンタルヘルスの改善に役立つということのようです。

プロバイオティクスとうつ病

うつ病は今となっては、世界中で最も注目されている疾患の一つになっています。

日常生活に多大なる影響を与えるうつ病ですが、うつ病の患者は、うつ病でない人と比較して、腸内細菌叢の構成に違いがあるようです。

動物実験では、うつ病患者の糞便を健康なラットに移植すると、うつ病のような症状を示すこともわかっています。

プロバイオティクスと不安

過敏性腸症候群などの他の疾患の不安症状に対するプロバイオティクスの効果を調べた複数の研究があります。

これらによると、動物実験では、ストレス、不安関連行動がプロバイオティクス摂取後に影響を受けたことが報告されています。

また、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ラクトバチルス・アシドフィルスを含む多株プロバイオティクスによる8週間の研究によると、プロバイオティクスおよびセルトラリンを投与された群の不安を感じるスコアが有意に低下したことが報告されています。

まとめ

このように、現在では脳とプロバイオティクスの関連について様々な研究が行われています。

プロバイオティクスによる腸内細菌変更の治療法は、腸内の有益な細菌を強化し、腸脳軸を介して気分を改善することがわかっているため、今後の研究にもますます期待が集まっているようです。

メンタルヘルスが自宅で完全に治療できるようになるのはまだ先のことかもしれませんが、少なくともプロバイオティクスを用いて腸内環境を整えることは腸-脳軸により脳にも良い影響を与えることは間違いないようです。

今後益々この分野の研究が進むことが予想されていることもあり、行方を追っていきたいと考えていますので、またこの場で情報を共有させて頂くようにいたします。

また、以前にも何度もお伝えしていますように、私たちの先人から受け継いでいる伝統的な和食にはプロバイオティクスやプレバイオティクスなども豊富に含まれています。

そのことからも、改めて和食に関わる食べ物や食事を通じて、身体と対話することもおすすめと言えるのではないでしょうか。

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引用文献:
プロバイオティクスと微生物叢-腸-脳軸

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