グルテン不耐症と関節リウマチの関係は?
セリアック病は、炎症を引き起こすグルテンに対する自己免疫疾患です。
セリアック病を含むグルテン不耐症は、胃腸以外にも影響を与える可能性があります。
特に、関節リウマチの症状にも影響を与える可能性が報告されているようです。
この記事では、グルテン不耐症と関節リウマチの関係について探ります。
関節リウマチとは
関節リウマチは、自己の免疫が主に手足の関節を攻撃し、これにより関節痛、関節の変形が生じる代表的な膠原病の1つであり、自己免疫疾患です。
関節リウマチは恐ろしいことに、手足の関節だけでなく、脊椎、血管、心臓、肺、皮膚、筋肉といった全身の臓器にも悪影響を与える可能性もあるようです。
炎症を引き起こす食品を食事から取り除くと、関節リウマチの症状を緩和できる可能性もあります。
人によっては、グルテンも関節リウマチの炎症を悪化させる可能性があります。
食事と関節リウマチとの関係は完全には明らかではありません。
しかし、グルテンの成分が一部の人でリーキーガット症候群を引き起こす可能性があることを示唆する研究結果があります。
研究によると、リーキーガット症候群は腸壁に穴をあけてしまい、細菌や毒素が人の血液中に漏れ出てしまう可能性があることがわかっています。
これにより、体内の微生物のバランスを崩し、炎症を引き起こし悪化させます。
そのため、グルテンを避けることは、グルテン不耐症の人が関節リウマチの症状を改善するのに役立つ可能性があります。
グルテンと自己免疫疾患
グルテンは、ライ麦、大麦、小麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種です。
グルテンは、パン、パスタ、焼き菓子、麺類などの大部分に含まれています。
近年の研究により、グルテンがさまざまな炎症性の自己免疫疾患と関連していることが示されています。
特に、炎症性の自己免疫疾患との関連も取りざたされているようです。
関節リウマチの場合、関節内で滑液を生成する組織を免疫系が誤って攻撃することにより発症します。
これにより、関節の痛みや炎症が引き起こされ、時間の経過とともに関節の損傷や変形が生じる可能性があります。
さらに、脊椎、血管、心臓、など体のほかの部分にも悪影響を与える可能性もあるようです。
関節リウマチとセリアック病の両方を患う可能性?
関節リウマチとセリアック病の両方を患っている人もいるようです。
2019 年のある研究では、この2つの疾患には重複される個所が複数あるようだと説明されています。
研究によると、セリアック病患者は関節リウマチの因子を持っていることが多く、一方で関節リウマチ患者にはセリアック病の兆候が頻繁に見られることが明らかとなっているようです。
同じ自己免疫疾患であるセリアック病の人がグルテンを摂取することにより、同様の炎症過程が起き、関節リウマチも引き起こす可能性があることも報告されているようです。
避けるべき食品
グルテン不耐症の人だけでなく関節リウマチの人も、食事からグルテンを含む食品を取り除くことで症状が緩和する可能性があります。
そこで、小麦粉などグルテンを含む食品をまずは避けることをお勧めします。
また、思いもよらないものにグルテンが入っている場合も考えられます。
-ビール酵母
-モルトビネガー、モルトシロップなどのモルト
-小麦でんぷん
-グルテンフリーとして認定されていないオーツ麦
-グレービー
-サラダドレッシング
-スープ
グルテンが症状の一因となっている可能性があると疑われる関節リウマチの人は、食事日記をつけ、医師に相談すると良いかもしれません。
まとめ
食事からグルテンを一定期間排除すると、関節リウマチの症状が改善することがあるようです。
また一部の研究では、関節リウマチを患っている人はセリアック病を患っている可能性が高いことを示唆しています。
このため、食事からグルテンを除去すると炎症を軽減し、症状を改善できる可能性があります。
ただし、グルテンフリーダイエットの効果は人によって異なります。 グルテンを避けることを決定する前に、医師に相談する必要があります。
また、関節リウマチを患っている人の食事のヒントには、グルテンを避けるだけでなく、さまざまな健康的な自然食品を食べること、加工食品や砂糖の多い食品を避けることも含まれるようです。
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引用文献:
関節リウマチ
What is the link between gluten and rheumatoid arthritis?