自律神経の中でも副交感神経との関連が強い迷走神経とは?
自律神経、交感神経や副交感神経という言葉を聞くことは多いと思いますが、迷走神経とはどのようなものでしょうか?
自律神経の中でも副交感神経に大きく関与する迷走神経は、大きな役割の一つに、神経系のバランスをとることが含まれます。
そのため、うつ病やてんかんなどの治療とも関係するようです。
迷走神経と健康との関連について調べたことをご報告します。
Contents
迷走神経は
迷走神経は最も複雑な神経と言われており、人の脳幹から首、胸、腹部に伸びる長い脳神経で、消化器系や、肺、心臓、肝臓などの臓器から人の脳にメッセージを届ける役割を持っています。
消化、心拍数、呼吸数などの臓器機能を制御し、咳やくしゃみ、嚥下、嘔吐などの血管運動活動と反射に関与しています。
さらに迷走神経は、耳、副鼻腔、食道の感覚機能にも影響を与え、発声、気分、免疫なども調節することがわかっています。
迷走神経の重要な機能は次のとおりです。
感覚:喉、心臓、肺、腹部から。
味覚: 舌の後ろで味覚を感じるための機能。
運動機能: 嚥下と発話に関与する首の筋肉の運動機能。
副交感神経: 消化管、呼吸、および心拍数の機能。
さらに迷走神経の大きな役割の一つが、神経系のバランスをとることで知られています。
神経系は、交感神経と副交感神経の2つに分けることができます。
交感神経は、覚醒、エネルギー、血圧、心拍数、呼吸数を増加させます。
迷走神経が大きく関与する副交感神経は、交感神経と反対に覚醒、血圧、心拍数を低下させ、落ち着き、リラクゼーションとの関連があり、消化を助けることが報告されています。
その結果、迷走神経は排便や排尿などのコントロールにも役つとも言われています。
その他の迷走神経の影響には次のものがあることが報告されています。
脳-腸の間のコミュニケーション: 迷走神経は、腸から脳に情報を伝えます。
深呼吸によるリラクゼーション:迷走神経は横隔膜と連絡しています。 深呼吸をすると、人はよりリラックスした気分になります。
炎症の減少:迷走神経は抗炎症信号を体の他の部分に送ります。
心拍数と血圧を下げる: 迷走神経が活動しすぎると、心臓が体中に十分な血液を送り出せなくなる可能性があります。 場合によっては、過度の迷走神経活動が意識の喪失や臓器の損傷を引き起こす可能性があります。
恐怖の管理: 迷走神経は腸から脳に情報を送り、ストレス、不安、恐怖への対処に関連しています。 これらの信号は、人がストレスの多い恐ろしい状況から回復するのに役立ちます。
迷走神経への刺激
迷走神経の刺激を刺激することで、さまざまな状態を治療することがわかっています。
迷走神経の刺激は、医療行為として、手動または電気パルスで行うことができるようです。
迷走神経を自然に刺激する方法には、次のようなものがあります。
-歌う
-大声で水でうがいをする
-咳
-瞑想
-冷水シャワー
-顔に氷水を当てる
-深呼吸
-笑う
また、呼吸法、ヨガなどのリラクゼーション法は、迷走神経の活動に影響を与え、不安や気分関連の症状を緩和する能力を高めます。
迷走神経刺激による利点
迷走神経を刺激することにより、健康を改善する可能性があることがわかっており、特に下記のような症状の改善の可能性があるようです。
-てんかん
迷走神経の刺激により、発作の頻度、重症度、長さが軽減される可能性があります。
治療には、ペースメーカーに似た小型の電気装置が人の胸に配置されるようです。
-精神疾患
迷走神経刺激をうつ病の治療として使用することは、すでに承認されているようです。
また、次の疾患などにも効果が期待できるとの見方がされているようです。
-双極性障害
-不安障害
-アルツハイマー病
ほかにも、迷走神経の刺激は次のような症状の改善に期待されているようです。
-関節リウマチの炎症
-心不全
-糖尿病による炎症
-難治性のしゃっくり
-異常な心拍リズム
-クローン病による炎症
-メンタルヘルス
-血圧を下げる、心拍数を下げる、免疫力を高める
-炎症性腸疾患
-クローン病
-潰瘍性大腸炎
いきなりの病院での治療は、少しハードルが高いかもしれません。
まずは本日の記事にある、迷走神経を自然に刺激する方法をお試しいただくことをおすすめといえるかもしれません。
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引用文献:
Everything you need to know about the vagus nerve
https://www.medicalnewstoday.com/articles/318128
#vagus-nerve