ケトジェニック・ダイエットは減量だけでなく慢性的な痛みにも?
減量のための食事方法の一つとも言われているケトジェニックダイエットは、比較的取り入れやすい食事法として人気となっています。
この食事法は、ダイエットだけでなく、免疫力の改善や、慢性的な痛みを軽減する可能性があるものとしても注目されているようです。
ケトジェニックダイエットの影響について探ります。
ケトジェニック・ダイエットとは?
ケトジェニックダイエット法は、元々は癲癇(てんかん)を治療する目的で1920年代前半にアメリカで開発された食事法です。
癲癇発作を起こした人が、炭水化物を食べないと発作が止まることが観察されていたため、てんかんの治療に使用され始めたようです。
炭水化物の摂取量をかなり制限し、炭水化物と脂肪分が豊富な食事を摂ることにより、体が“ケトーシス”の状態を引き起こすことになります。
この状態は、グルコースの代わりにケトン体が生成され始め、体はこれらのケトンを燃料として使用することになります。
ケトン体は、脳に入り、ブドウ糖に代わるエネルギー源として消費されるため、体は食事から得るブドウ糖を燃焼し尽くしてしまい、代わりに脂肪を燃焼してエネルギーにすることから、減量などに効果が期待できるとされています。
ケトジェニックダイエットの方法は、一般的に以下のように食事を制限するようです。
-進んで食べる食べ物
肉、魚、卵、バター、チーズ、ホイップクリーム、アボカド、ナッツ類、緑色野菜全般、食物繊維
-避けるべき食べ物
砂糖、炭水化物が豊富なもの、トランス脂肪酸、甘みの多い果物
ケトジェニックダイエットは、かなりの低炭水化物、高脂肪となる食事法のため、しばしば物議をかもしているようです。
ケトジェニックダイエットと慢性の痛み
ケトジェニックダイエットでは、主な燃料源として、ブドウ糖や果糖、デンプンなどの代わりに脂肪を使用するようです。
肝臓が脂肪を分解し始めると、ケトンと呼ばれる物質を生成します。
体が主に使用するエネルギーが脂肪となったとき、体はケトーシスと呼ばれる代謝状態に入ります。
このように、ケトダイエットにより体に一定のストレスがかかると、体は保護反応を引き起こすようです。
その結果、体は炎症や酸化ストレスを軽減することができるようです。
また、このケトンと呼ばれる物質自体が、炎症に関連する免疫系受容体をブロックし、神経系の活動を低下させるのに役立ち、神経過敏の状態も落ち着かせるようです。
このようなことが慢性的な痛みの軽減につながっていくものと考えられています。
ケトダイエットへの懸念事項
このようにケトジェニックダイエットは、減量だけでなく体内の炎症を落ち着かせ、慢性的な痛みの軽減にもつながる可能性があるようですが、その低繊維、高脂肪含有量は懸念事項となってもいるようです。
特にその注目されている懸念事項の1つは、飽和脂肪と不飽和脂肪の両方の脂肪含有量が高いことです。
ただし、専門家は高脂肪食は必ずしも悪いものではなく、高脂肪と高炭水化物を同時に食すことが問題であると主張しているようです。
一方で、バターやチーズ、脂肪分の多い肉に含まれる飽和脂肪の摂取は、心臓発作や脳卒中のリスクを高める可能性のあるコレステロール値の上昇に関連しています。
そのため、ケトジェニックダイエットが必ずしも体に「良い」と言い切ることはできないと考えられます。
いろいろな食べ物を食べるバランスの良い食事を第一に考えながら、炭水化物や脂質、たんぱく質の量をそれぞれの体調に応じて調整することを第一に考えながら生活することが健康につながるのかもしれません。
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引用文献:
ケトジェニック・ダイエット ウィキペディア(Wikipedia)
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