アトピー性皮膚炎に影響を与える腸皮膚軸とは?
アトピー性皮膚炎は、かゆみが夜もよく眠れなくなるなど大変不快な症状を伴う場合があります。
このような慢性炎症性皮膚疾患には、腸内細菌叢の変化に関わっている可能性があるようです。
アトピー性皮膚炎は、世界中の子供の15~30%、成人の10%がかかっているとも言われています。
その原因は長い間不明なままですが、最近、腸の健康と腸内微生物叢がアトピー性皮膚炎に影響を与える可能性があることを示す研究が増えてきているようです。
腸と皮膚の間の相互作用どのようにアトピー性皮膚炎に関連にするのかについて改めて探ります。
腸皮膚軸
人のバクテリア、酵母、その他の生物の体の内側や外側にいる微生物の集合体を、マイクロバイオームと言います。
マイクロバイオームは、免疫やアレルギー反応などの重要な機能と強く結びついていて、健康に重要な役割を果たします。
2021年の研究では、マイクロバイオームの変化がアトピー性皮膚炎につながる可能性があることが示唆されているようです。
マイクロバイオームのバランスを整えることにより、肌の健康をサポートする可能性があるということのようです。
中でも、腸内細菌叢は最も大切と考えられています。
皮膚には何兆もの微生物が住んでいると言われています。
そして、細菌、酵母、菌類、その他数兆以上もの生物が、腸内に住んでいるそうです。
腸と皮膚は複雑に相互作用しており、一方に影響を及ぼすと他方にも影響を与える可能性があります。
別の研究によると、アトピー性皮膚炎、にきび、湿疹、乾癬などの炎症性皮膚疾患を持つ人々は、マイクロバイオームの環境が整っていない場合が多いことが報告されています。
一方、アトピー性皮膚炎などのはかゆみがあり、皮膚を引っかくと自然なバリアが破壊される可能性があります。
その結果、免疫反応が混乱し、体の微生物環境が変化する可能性があるのだそうです。
このような相互作用のことを、「腸皮膚軸」と呼んでいます。
腸内細菌とアトピー性皮膚炎
多くの研究で、腸内微生物叢がアトピー性皮膚炎の発症にかかわる可能性があることが示されています。
同様に腸内細菌叢、またはマイクロバイオームの変化は、アトピー性皮膚炎の可能性を高めるかもしれないと考えられているようです。
アトピー性皮膚炎は、大人よりも乳児や子供に多く見られます。
これは、子供の腸内微生物叢が有害な細菌を撃退する能力が低いことが原因である可能性があるとも考えられているようです。
また、子供の食事の内容もマイクロバイオームに影響を与え、微生物集団の健全なバランスを妨げる可能性があります。
実際に幼い頃の細菌集団の不均衡が、人がアトピー性皮膚炎を発症する年齢と関連していることも報告されています。
研究では、腸内の微生物の構成を変えることで、アトピー性皮膚炎などの皮膚の状態が改善される可能性があると考えられているようです。
中でもプロバイオティクス (腸の健康に有益なバクテリア、菌類、酵母) は、皮膚の状態にも影響を与える可能性があります。
健康な腸を育てる方法<
研究では、健康な腸内細菌叢を回復することがアトピー性皮膚炎にプラスの効果をもたらすかどうかを調査します。
腸の健康をサポートして腸内細菌群集を多様化することは、全体的な健康を向上させる可能性があるとされています。
健康な腸内微生物叢を育てるためのヒントは次のとおりです。
-多くの繊維(豆、野菜、果物、全粒穀物、種子、ナッツ)を食べる
食物繊維が豊富な食事をとることは、腸内細菌の多様性に関連していることがわかっています。
-発酵食品を食べる
発酵食品には、生きたバクテリアや他の微生物が含まれます。
発酵食品には、ヨーグルト、キムチ、コンブチャ、ザワークラウト、テンペなどがあります。
-ストレスをためない
ストレスは体の細菌群にも悪影響を及ぼします。
運動をするなど、何かストレスを発散できることを見つけるのも良いかもしれません。
-飲酒量を減らす
アルコールは腸内微生物叢に悪影響を与える可能性があることがわかっています。
まとめ
アトピー性皮膚炎の具体的な原因は不明のままですが、腸が関わっている可能性があることがわかってきているようです。
より健康な腸内微生物叢を育てる方法は、食物繊維や発酵食品をより多く食べる、ストレスを上手に管理する、飲酒量を減らすなどが知られています。
場合によっては、プロバイオティクスのサプリメントを摂取することも、アトピー性皮膚炎の予防や症状の緩和に役立つ可能性があると考えられています。
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