虫歯にかかりやすい人は脳の健康にも影響?
口腔ケアは大切ですが、歯医者さんに行くのをつい先延ばしにしてしまう方も多いかもしれません。
ですが、虫歯と脳の健康には関連があることも考えられる為、留意が必要と言えます。
最近の研究によると、口腔の健康状態の悪化が脳の健康状態の悪化に関連している可能性があることがわかったようです。
口腔ケアと脳の健康について探ります。
脳の健康とは
ご存じの通り、脳は非常に繊細で複雑な器官です。
「脳の健康」とは、私たちが動いたり、呼吸したり、感情を表現したりなどの通常の機能を実行する脳の機能に影響を与える神経疾患に関連する疾患を指すことが多いようです。
多くの要因が脳の健康に影響を与える可能性があります。
たとえば、
-アルコールを制限する
-禁煙する
-血圧をコントロールする
-栄養たっぷりの健康的な食事をする
-運動をする
-質の良い睡眠を十分にとる
これらはすべて、脳の健康に関連する可能性があると考えられています。
さらに今回、口腔内の健康を保つことも脳の健康に寄与する可能性があることがわかったようです。
口腔ケアと脳の健康
研究者の主な目標は、口腔の健康状態の悪化と脳の健康状態との関連性を調査することでした。
それまでも、口腔の健康状態が悪いと脳卒中やアルツハイマーなどのリスクが高まることはすでにわかっていました。
口腔の健康状態が悪いことが脳の健康に影響を与えるかどうかまではわかっていませんでした。
研究では、脳卒中を経験したことがない人が選ばれ、歯の喪失やむし歯などの口腔の健康状態の悪化に関連する遺伝子が調べられたようです。
次に、脳スキャンにより脳の健康を測定し、その結果、口腔の健康状態が悪いという遺伝的な状況が、脳の健康状態の悪化と関連していることを発見したようです。
さらに遺伝的に虫歯になりやすい、歯が欠けている、または義歯が必要な人は、無症状の脳血管疾患の割合が高かったようです。
また、遺伝的に口腔の健康状態が悪い人は、脳の微細構造への損傷が増加していることも示されました。
このようなことからも、口腔の健康状態の悪化を早期に治療することが、脳の健康を大幅に改善するのに役立つ可能性があることをがわかってきます。
ほかの健康への影響
虫歯や歯周病などの口腔内の健康は、脳以外の健康への影響もあります。
たとえば、肺、心臓、腎臓など、体の他の部分の健康状態に影響を与える可能性があることがわかっています。
妊娠中の方であれば、早産や低出生体重児子、癇前症などのリスクが高くなる可能性があります。
また、ある研究によると、閉経後に歯周病を発症した女性は、特に喫煙歴がある場合、乳がんを発症する可能性が高くなる可能性があるとの報告もあるようです。
口腔内トラブルを避ける方法
口腔内トラブルを避けて良好な口腔衛生を保つためには、次のような方法がおすすめされています。
-少なくとも1日2回歯を磨く
-デンタルフロスや歯間ブラシなどを1日1回は使用する
-少なくとも年に一度は歯医者に行く
-禁煙する
-アルコールや糖分を含む食品を控えめにする
-口の渇き、味覚や嗅覚の変化、その他の口内トラブルがあった場合は歯医者や病院かかる
-プラークと歯石を除去する
-自然食品と新鮮な果物や野菜を豊富に含む食事をとるようにする
-水をたくさん飲む
これらのことを実践することで口腔内の衛生状態が保たれ、虫歯や歯周病を避けることができるだけでなく、脳の健康にも安心感を与える可能性があります。
さらに先にご報告したように、肺、心臓、腎臓などの健康状態を保ち、がんの発症の可能性も減らすことができるかもしれません。
まさに、全身の健康は口腔内の衛生状態とつながっていると言っても過言ではないかもしれませんね。
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引用文献:
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