ビタミンDの利点と腸内環境との関係
ビタミンDは免疫力を高め、健康な骨や歯を維持するために不可欠な栄養素です。
誰もが必要とするビタミンDをできるだけ効率よく体に取り込むには、腸内環境も大切にする必要があるようです。
ビタミンDと腸内環境の関係を深堀します。
ビタミンDの利点
初めに、ビタミンDの利点をおさらいしてみたいと思います。
ビタミンDは、腸のカルシウム吸収を促進することにより、健康な骨作りに必要なカルシウムとリンの血中バランスを維持するのに役立つ栄養素です。
子供がビタミンD欠乏症になると、骨が軟化しO脚の原因となることもあるようです。
また、成人のビタミンD欠乏症は骨軟化症の原因となりえます。骨軟化症になると、骨密度が低下し、筋力が低下してしまうようです。
さらに、長期的にビタミンD欠乏症が続くと、骨粗鬆症となることもあることが報告されています。
このように、骨との関連が強いビタミンDですが、免疫機能とも関連性があると考えられています。
ビタミンDを十分に摂取すると、免疫機能が向上し、糖尿病や喘息、関節リウマチなどの自己免疫疾患にかかる割合が低下する可能性があることが報告されています。
これは、ビタミンDが免疫機能において重要な役割を果たしていることを示しています。
さらに、ビタミンD欠乏症が長期間続くと、次のような合併症を引き起こす可能性があるとも報告されています。
-心血管疾患
-神経疾患
-感染症
-妊娠合併症
-がん
-骨粗しょう症
-糖尿病
血中ビタミンD濃度と腸内環境
いくつかの研究によって、血中のビタミンD濃度が低いと上記のようなさまざまな病気を引き起こす可能性があることがわかっています。
そのため、多くの人がビタミンDを取り入れようとしていますが、その効率は人によって異なるようです。
そこには、腸内環境との関連があるようです。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者は、年配の男性の血中の活性型ビタミンDの量を測定し、それが腸内微生物叢の多様性と相関していることを発見しました。
このような研究により、腸内細菌が不活性ビタミンDを活性化し、健康促進の上で重要な役割を果たしている可能性があることが報告されたようです。
ビタミンDは、日光を浴びることで合成されることはよく知られていると思います。
ですが、活性型ビタミンDの量は、日光を浴びる量よりも腸内細菌の多様性とに、より強く相関していることもわかっているようです。
つまり、日光やサプリメントなどによりどれだけビタミンDをたくさん摂取したとしても、腸内細菌のバランスが悪いと体が効率よくビタミンDを蓄えられなくなってしまうそうです。
ビタミンDとプロバイオティクス
最後に、ビタミンDとプロバイオティクスの効率の良い接種方法をご紹介します。
人は、ビタミンD摂取量の大部分を日光によって得ることができるようです。
ですが太陽がそれほど強くない冬の間や、不足が心配な場合は、ビタミンDを多く含んだ食品をとることがおすすめされます。
ビタミンDの供給源:
-サーモン、サバ、マグロなどの脂肪の多い魚
-卵黄
-チーズ
-牛レバー
-きのこ
また、腸内環境を整えるためには、ご存じの通りプロバイオティクスの摂取がとても大切です。
良質なプロバイオティクスの供給源:
-ヨーグルト
-漬物(キムチ、ぬか漬け、ザウアークラウトなど)
-おみそ汁
ポイントとしては、一つの種類だけでなく、なるべくいろいろな種類のプロバイオティクスを摂取することがおすすめです。
先人が外で太陽の下で過ごしたように、私たちも太陽にあたることの大切さを見直す時期といえるのかもしれません。
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引用文献:
What are the health benefits of vitamin D?
Gut bacteria and vitamin D: What is the link?