甲状腺とコレステロールの関係とおすすめの生活習慣とは
コレステロールの値は血液サラサラのバロメーターとも言え、高コレステロールすぎる場合は、心臓病や脳卒中の危険因子となり得ます。
食事や生活習慣が高コレステロールにつながる可能性がありますが、その原因に甲状腺障害などが関係している場合もあるようです。
特に甲状腺ホルモンの生成が多すぎたり少なすぎたりすると、血中コレステロール値が上がってしまう場合があるようです。
甲状腺とコレステロールの関係を探ります。
甲状腺とは
甲状腺は首の前部にある、ホルモンを産生する場所です。
甲状腺で産生されたホルモンは血流に入り、全身で使用されます。
甲状腺ホルモンは、主に次のような調節において役割を果たすとされています。
-脳の発達
-体温
-代謝
-成長と発展
-心臓、脳、筋肉、その他の臓器の機能
甲状腺が十分な甲状腺ホルモンを産生しない場合に、甲状腺の活動は低下します。これを甲状腺機能低下症といいます。
甲状腺機能低下症は、橋本病などの自己免疫疾患や、甲状腺の外科的切除が原因である可能性があります。
甲状腺機能低下症は、便秘やうつ、乾燥肌など乾燥体質、倦怠感、体重増加などの症状を引き起こす可能性があります。
反対に、ホルモンの分泌量が多すぎると、甲状腺機能が過剰になります。 これを甲状腺機能亢進症といいます。
甲状腺機能亢進症の原因は、自己免疫疾患バセドウ病、甲状腺の炎症、ヨウ素の過剰使用などが考えられます。
甲状腺機能亢進症は、下痢、不眠、倦怠感、神経質、体重減少などの症状を引き起こす可能性があります。
コレステロールとは？
コレステロールといえば血中コレステロールと連想される場合が多いかもしれませんが、コレステロールは、体内のすべての細胞に存在します。
体はこのコレステロールを使ってホルモンを作り、胆汁酸を使って脂肪の消化を助ける働きがあることがわかっています。
コレステロールは、タンパク質に付着することによって血液中を移動します。
このコレステロールとタンパク質は、セットで「リポタンパク質」と呼ばれます。
リポタンパク質には2種類存在すると言われています。
高密度リポタンパク質 (HDL) と、低密度リポタンパク質 (LDL) です。
HDLコレステロールは、血液からコレステロールを取り除くのに役立つため、「善玉」コレステロールとしても知られています。
一方、LDLコレステロールは 「悪玉」コレステロールとも呼ばれます。
コレステロールが動脈に過剰に蓄積すると、心臓病などのさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
血中のLDLコレステロールは、食事内容や、甲状腺疾患などによって上昇する可能性があります。
甲状腺とコレステロールの関係？
甲状腺機能とコレステロール値は密接に関連しているようです。
たとえば、甲状腺機能低下症は高コレステロールを引き起こす可能性があるかもしれません。
甲状腺ホルモンは、肝臓機能を助け、体から余分なコレステロールを除去する上で重要な役割を果たしますが、体が十分な甲状腺ホルモンを産生しないと肝臓がコレステロールを処理することができません。
甲状腺機能低下症の人は、身体が血液から除去するLDLコレステロールの量が少なくなります。
これにより、LDL（悪玉）コレステロールが血中に増える形となる可能性があります。
研究によると、血中コレステロールが高い人の13%程度は、甲状腺機能低下症でもあることがわかっています。
反対に、甲状腺機能亢進症は低コレステロールを引き起こす可能性があるかもしれません。
甲状腺機能亢進症は、血液中のコレステロールを引き下げる可能性がありますが、コレステロールが低いと、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
甲状腺の問題とコレステロールには大きな関連があることがわかりました。
甲状腺疾患を予防する明確な方法はありませんが、規則正しい生活をすることやストレスをためないことが予防につながるかもしれません。
また、甲状腺はヨウ素との密接な関連があります。
妊娠中の女性など、甲状腺の問題に関わる高い可能性がある人は、ヨウ素の必要性について確認すると良いかもしれません。
ただし、そのような場合には、専門家にかかりながら進めることが大切です。
甲状腺については、日本でも多くの人に関連していることからも、こちらの記事でも、また取り扱っていきたいと思います。
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