ジャガイモやトマトは植物由来の抗ガン食品栄養素?
がんは依然として世界の主要な死因の1つであり、効果的な治療法に関する研究が日々進められています。
そんな中、がんに対抗する食材の研究は以前から活発に進められているようです。
天然の植物由来の抗ガン剤のような食品栄養素となる可能性のある食べ物を探ります。
植物由来の抗がん剤のような役割をする栄養素
植物や菌類によって生成される化合物の研究から、新しい抗がん剤がみつかることがあるようです。
抗生物質の多くは、最初は菌類で発見されたことも、その証拠となるかもしれません。
自然界では、ある程度の毒性を持っている植物や菌類は、外敵を追い払うのに役立ちます。
1960 年代にパシフィック イチイの木の樹皮で発見されたパクリタキセルは、植物由来のがん治療薬としても知られているようです。
パクリタキセルは、1990年代に食品医薬品局 (FDA) によって卵巣がんと乳がんの治療薬として初めて承認され、現在ではさまざまな種類のがんの治療に使用されているそうです。
英国ブラッドフォード大学の薬学・医科学学部長兼副学部長である Sherif El-Khamisy 博士は、植物由来の抗がん剤について下記のような見解を示しています。
「植物由来の抗がん剤の利点は、非常に有用であることがすでに証明されており、実際に作成されていることです。」
「それらを合成する必要はありません。化学を変更して、それらをより特異的にするか、毒性を低くするだけです。」
このように、植物由来の薬的な効果を持つものを、植物アルカロイドと言います。
植物アルカロイドは、次のようないくつかの癌の治療に役立ちます。
-白血病
-肺癌
-卵巣がん
-消化器がん
-結腸直腸癌
-膵臓癌
また、考えられる副作用には次のものがあります。
-吐き気
-嘔吐
-腹痛
-下痢
-倦怠感
-アレルギー反応
-脱毛
ナイトシェード植物の抗がん効果
最近の研究では、ナイトシェード植物に見られる化合物である、グリコアルカロイドの癌治療の可能性が調べられたようです。
グリコアルカロイドは、がん細胞の増殖を強力に阻害するとされています。これは、細胞がアポトーシスによって死滅するメカニズムによって引き起こされると考えられています。
ナイトシェード植物とは、ナス科の植物のことを指します。グリコアルカロイドとして知られる化合物は、ナス科で発見さています。
ナス科に属するトマトやジャガイモなどの植物由来の食品の抗がん特性を調べた研究が行われました。
その研究では、次のグリコアルカロイドとその抽出物が調査されました。
-ソラニン
-チャコニーヌ
-ソラソニン
-ソラマルギン
-トマチン
研究者によると、グリコアルカロイド化合物は他のがん治療と併用して、その有効範囲を広げることができるようです。
つまり、ガン治療を行いながら、トマトやジャガイモなどを摂ることで、抗がん剤の効果を上げることができる可能性があるということになります。
ガンの治療だけでなく、これらの野菜は体に良いものとなります。
もっと言えば、すべての野菜や果物は何かしらの健康的な特性を持っていると考えられます。
野菜や果物をたくさん撮ることで、ガンやほかの病気から身を守ることもできそうです。
なお、野菜や果物には旬があります。
特に日本では四季に応じた果物や野菜の食品類が豊富に存在し、伝承されてきました。
旬の野菜や果物に含まれる食品栄養素類は、旬でないものと比べた場合、栄養素が何倍にもなるとも言われています。
そのことからも、旬の食べ物を普段の食事に取り入れることは健康を維持したり、改善したりする上で、とてもおすすめと言えます。
旬の食べ物や栄養素をバランスよく食べて、より健康に近づきたいものです。
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引用文献:
Cancer treatment: Compound found in potatoes, tomatoes may lead to new drug