片頭痛の原因がセリアック病のグルテンである可能性?
片頭痛は吐き気や光過敏などを伴う場合もある激しい頭痛です。
中にはいったん片頭痛が起きると、しばらくの間続くことで、日常生活を正常に行うことができなくなる人もいるようです。
特にセリアック病を持つ人は、より片頭痛を引き起こす可能性が高いことも、研究で明らかになってきているようです。
セリアック病は、人がパンや麺類などに多く含まれれる小麦粉の中に含まれるたんぱく質のグルテンを食べることで、それらの症状を引き起こすことが多いとされる自己免疫疾患です。
グルテンが片頭痛の引き金になる可能性があるかについて探ります。
グルテンとは
グルテンは、小麦、大麦、ライ麦に自然に存在するタンパク質の一種です。
通常、ほとんどのパンやパスタなどの麺類、焼き菓子などにグルテンが含まれています。
グルテンを食べても問題の起こらない方がほとんどですが、リスク要因のある方はその次第ではないようです。
これには、さまざまな理由が考えられます。
報告されている内容から、そのいくつかをご紹介します。
-セリアック病:
セリアック病は自己免疫疾患の一種です。グルテンを含む食品を食べることにより免疫系が小腸の粘膜を攻撃します。
非常に多くの症状があり、そのうちの 1 つが片頭痛で知られています。
その他の主な症状には、下痢、腹痛、発疹、疲労などがあります。
-小麦アレルギー:
小麦アレルギーも、くしゃみ、鼻づまりや鼻水、かゆみ、発疹、消化器症状とともに頭痛が起きる可能性が高いようです。
-非セリアックグルテン過敏症 (NCGS):
非セリアックグルテン過敏症は、セリアック病と同様の症状を引き起こしますが、セリアック病の検査で陰性になるようです。
NCGSがグルテンによって引き起こされるのか、それとも小麦、大麦、ライ麦に含まれるアミラーゼ-トリプシン阻害剤やフルクタンなどの他の化合物によって引き起こされるのかは不明であるようです。
グルテンと片頭痛の関連性
セリアック病の場合、グルテンと片頭痛の間には関連性があると言えそうです。
2019年の研究では、セリアック病患者の32.5%が前兆のない片頭痛を経験し、15.4%が前兆のある片頭痛を経験したことが報告されています。
この関連性はセリアック病が腸-脳軸に及ぼす影響によるものだと考えられているようです。
上記の片頭痛の経験者の脳を調べたところ、白質に異常な変化が見られたことも、根拠の一つと言えそうです。
また、一部の研究では、グルテンを含まない食事がセリアック病患者の片頭痛の頻度を減らすことがわかっているようです。
その他片頭痛の引き金となり得るもの
片頭痛の引き金となる可能性のある成分は、ほかにも次のようなものがあると考えられています。
-硝酸塩、亜硝酸塩
-防腐剤
-アスパルテームやショ糖などの人工甘味料
-オリーブ、トマト、チーズ、塩漬け肉または魚、ナッツ、柑橘類など、ヒスタミンを含むまたは放出する成分
これらは、グルテンを含む食品に同時に含まれていることもあり、またそうでない食品にも含まれている場合が多いため留意が必要そうです。
片頭痛の原因が特定の食品、特にグルテンに関連していると思われる場合は、知らないうちにセリアック病にかかっている可能性があるため、医師の診断を受けることが必要となります。
食品を特定するために、「除去食」という方法があります。
除去食とは、アレルギー反応を示した場合に、それらの反応を示した食品類を一定期間にわたって、食事から取り除いてから、徐々に体調や症状の様子を観察しながら、再度導入することです。
これにより、特定の食品が症状を引き起こしているかどうかを確認できる場合があります。
まずはグルテンフリーの食生活をしばらく続けてみて、症状がどのように変わるか観察してみることで、その後の対応が見えてくるかもしれません。
また、片頭痛の引き金には、ストレス、アルコール、カフェイン、睡眠不足、天候など、グルテンや特定の食品以外のことも考えられます。
その意味では、片頭痛日記をつけて、片頭痛をを引き起こした、または悪化させた可能性のある要因を記録する方法をとってみることもおすすめされています。
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