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腸内細菌と無呼吸症候群と高血圧との関係は?

2022年11月21日

食べ物や食事と健康管理

睡眠時無呼吸症候群、高血圧、腸内細菌の3つの関連性は、表面的にはあまりないように見えるかもしれません。

ですが、これらの関連についての研究が進められているようです。

呼吸障害は、腸内細菌にどのように影響し、高血圧のリスクを高めると考えられているのでしょうか?

これらの3つの、一見関連が無さそうなものの間の関連性について探ります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、人が寝ている間に、一定期間呼吸を停止する状態です。

睡眠時無呼吸の最も一般的な形態である閉塞性睡眠時無呼吸は、喉の筋肉が一時的に弛緩して気道を塞いだときに発生するようです。

また、それほど一般的ではなく比較的まれな中枢性無呼吸は、脳が呼吸に関与する筋肉に対して適切な信号を送れなくなった場合に発生します。

これは、気道の閉塞による問題ではなく、中枢神経系にあることが報告されています。

閉塞性睡眠時無呼吸は、心臓病やうつ病を発症するリスクが高まる可能性があります。

研究では、閉塞性睡眠時無呼吸と2型糖尿病、てんかんなどの神経障害、高血圧などの内分泌障害との関連も示唆されているようです。

高血圧症

高血圧は、ほとんどの方が身近に感じたことのある疾患の一つかと思います。

通常は、加齢や塩分摂取などと関連付けられることが多いのではないでしょうか?

調査によると、睡眠時無呼吸障害と高血圧の間にも大きな関連があることが示唆されています。

夜間の呼吸困難がより深刻な人は、高血圧を発症するリスクが高くなるようです。

高血圧の患者は、血圧の治療薬を使用することが多いようですが、薬が効果を発揮しない人もいるようです。

科学者たちによって、閉塞性睡眠時無呼吸高血圧の関連に関与する調査が引き続き行われています。

腸内細菌との関係は?

私たちの体内、特に腸は最大100兆個とも言われる微生物が潜んでいます。

腸内細菌は、今では健康にとってとても大切ということで有名であり、科学者たちは現在、これらの微生物と肥満、糖尿病、パーキンソン病、認知症などの幅広い健康状態との関連を調査しています。

さて、私たちの腸内細菌は、睡眠時無呼吸に関連する高血圧にどのような役割を果たしているのでしょうか?

研究によると、睡眠中の呼吸障害は腸内細菌に影響をもたらしているようです。

睡眠時無呼吸は、断続的な低酸素状態または一晩中の血中酸素レベルの低下を引き起こします。

この低酸素状態は、胃腸内の酸素分圧勾配を周期的に低下させることが報告されています。

その結果、低酸素環境でのみ増殖できる細菌と、酸素の有無にかかわらず増殖できる細菌 (通性嫌気性菌) が勢いを増すのだそうです。

このように特定の個体群が優位に立つことにより、腸内細菌はバランスを崩してしまう可能性があるようです。

その結果、腸の上皮が損傷し、「漏れやすい腸」や「腸管漏れ」などの言葉で知られているリーキーガット症候群が発生する可能性があります。

リーキーガットは、本来無いはずの腸の隙間ができることによって、腸から異物が血液への漏れることを可能にすることを意味しています。

その結果、通常腸から血液に漏れてはいけない化合物が血液に入り、身体中に循環します。

それらが循環すると、体は軽度の炎症反応を起こします。

炎症は、動脈壁に脂肪性物質が蓄積するアテローム性動脈硬化症など、さまざまな状態で発生し、高血圧の原因となります。

腸内細菌と無呼吸症候群、そして高血圧との関連性は、ここにあることが報告されています。

まとめ

腸内細菌は体の様々な部分に影響を与えることが改めて浮き彫りになりました。

私たちが健康な体を作るためにできることの一つとして、腸内環境を整えること、また、睡眠時無呼吸の症状を減らすための治療を行うことも大切なことだとわかりました。

睡眠時無呼吸は、悪化すると寿命にもかかわる症状となる可能性も秘めている疾患です。また治療には、減量、枕の調整など、自分でもできることがありそうです。

気になる方は、ぜひ関連記事もご参照いただければと思います。

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引用文献:
Hypertension, gut bacteria, and sleep apnea: Is there a link?

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