中年期の悪夢は、認知症に関連している可能性!?
人は毎晩夢を見ると言われています。
子どもの頃は頻繁に見ていた夢も、大人になると覚えていないという人も少なくないようです。
ですが一方で、毎週のように悪夢を見るという方も一定数いらっしゃるようです。
このような頻繁な悪夢は、認知症とのかかわりがある可能性も報告されています。
悪夢と認知症との関連性について探ります。
Contents
悪夢と悪い夢の違い
誰でも時々、悪い夢を見るのはごく普通のことですが、一部の人は悪い夢を頻繁に見ることにより、睡眠を妨げ、日常生活にも悪影響を及ぼす場合があるようです。
睡眠医学では一般的に、ただ単に悪い夢や怖い夢を見るだけではなく、それにより目を覚ますことを悪夢と呼んでいます。
悪夢はレム睡眠中に起こり、悪い夢や怖い夢はノンレム(NREM)睡眠中に起こるようです。
そのため、悪夢を見た人は、通常、その夢の明確な記憶を持っている場合が多いようです。
悪夢と認知症の関連!?
報告によると、悪い夢は年齢とともにより頻繁に見るようになるようです。
それは睡眠障害や不十分な休息とも関連していますが、その両方が認知機能の低下にも関連しているようです。
研究によると、悪い夢をよく見るパーキンソン病の人々は、認知的および身体的衰退のリスクが高いことが示されています。
バーミンガム大学で行われた新しい研究では、中年期に悪夢を頻繁に見ることを経験した人は、認知機能の低下や認知症のリスクが高いことが示されています。
頻繁な悪夢を経験した35~64歳の人々は、認知機能の低下を実感する可能性が約4倍ほど高いことも発見されたとの報告もあります。
さらに、毎週悪い夢を見る経験をした人々は、そうでない人々と比較して、認知症と診断される可能性が2倍前後高くなっていることが示唆されているとの報告がありました。
男女別では男性がよりその可能性が高く、毎週悲惨な夢を見る高齢男性は、認知症を発症する可能性が5倍も高いことも報告されています。
より良い睡眠を取るために
認知症とも関連のある可能性もある悪夢ですが、医療の力を借りずに少しでも改善する方法はあるのでしょうか。
より良い睡眠のために以下の方法を試されることをお勧めします。
-就寝時間と睡眠スケジュールを設定して、時間を守る
これにより睡眠を安定させ、悪夢を誘発するレム睡眠を防ぐのに役立つ可能性があります。
-リラクゼーション方法の利用
深呼吸や瞑想、ゆったりとした入浴など、くつろぐ方法を見つけることは、悪夢を引き起こすストレスや心配を軽減するのに役立ちます。
-カフェインとアルコールを避ける
カフェインは気持ちを高ぶらせ、リラックスして眠りにつくのを妨げる可能性があります。
また、就寝時間近くにアルコールを飲むと、悪夢を悪化させる可能性のある夜の後半にレム睡眠を誘発する可能性があるようです。
-就寝前のスクリーンタイムを避ける
就寝前にスマートフォンやタブレットなどを使用すると、脳の活動が増幅され、眠りにつくことを妨げる場合があります。
また、スクリーンタイムに心配な画像や情報などが含まれている場合は、悪夢の可能性が高まる可能性があります。
これを回避するため、就寝前の1 時間以上はスマホなどの情報から離れることがお勧めです。
-快適な睡眠環境を作る
寝室は、できるだけ気を散らすものを少なくして、整頓し、落ち着いた雰囲気にすることをお勧めします。
快適な温度設定し、光と音の遮断し、ベッドと寝具を清潔なものにし、ゆっくり休める環境に近づけることをお勧めします。
上記に加えて日本の場合では、就寝前にお風呂に浸かることは、良い睡眠導入や熟睡にもつながることが報告されています。
良質な睡眠をとりゆっくりと休息することは認知機能の低下を防ぐことにもつながります。
1日24時間のうち、多くの人にとって3分の1の時間が睡眠かと思います。
その意味からも、ぜひ、毎日の睡眠を見直すことをお勧めしたいと思います。
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引用文献:
Weekly nightmares during middle age may be linked to higher dementia risk
Nightmares