腸内環境やお通じだけでなく胃酸逆流もサポートするプロバイオティクス
ヨーグルトやキムチなどに含まれるプロバイオティクスは、特に消化器系の健康をサポートする可能性のある生きた細菌として知られています。
いくつもの研究の結果、プロバイオティクスが胃酸逆流の症状を緩和するのにも役立つ可能性があることが報告されています。
プロバイオティクスが胃酸逆流にどのように役立つか、またどの細菌株が最適かなどに注目します。
胃酸逆流(GERD)
胃酸逆流(英語でGERD)は、胃酸が食道に上向きに流れる不快、痛みを伴う症状です。
胸やけの症状は誰ても経験があるかと思いますが、胃酸の逆流が頻繁にある場合はGREDと診断されることが多いようです。
GERDの原因はいろいろ考えられるようですが、その一つに胃と食道の間の弁が弱かったり、損傷していたりすることによる可能性があるようです。
また、逆流する胃酸によって新たな組織の損傷を引き起こす可能性があるため、早めの治療が必要な場合があるようです。
GERDは長期的な管理を必要とする慢性疾患です。
GERDを予防、または症状を軽減するためには、適度な体重の維持、禁煙、ストレスの軽減などが推奨されるため、生活習慣を整えることも大切な考え方の一つです。
その他の対策には以下のようなものがあります。
-脂肪の多い食品、辛い食品、または酸性の食品を避ける
-一度に大量に食べるのではなく、少しずつ何回かに分けて食べる
-就寝の少なくとも3時間前に食事を食べないようにする
-寝るときに頭を高く上げる
-余分な体重を減らす
-禁煙
GERDは、未治療のままにしておくと悪化し、逆流性食道炎や食道狭窄などの合併症を引き起こす可能性もあるため、早めの対策をとられることをおすすめします。
プロバイオティクスと胃酸逆流
そんな中、最近の研究により、プロバイオティクスの摂取が胃酸逆流の治療法となる可能性があることが示されているようです。
GERDに対するプロバイオティクス摂取の調査の結果、次のようなことが報告されています。
-逆流や胸焼けの改善が認められた。
-息切れの改善が認められた。
-逆流の減少が認められた。
-吐き気、腹痛、げっぷなどの改善が認められた。
また、 胃酸の分泌を抑制する薬であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)の使用により、副作用として小腸細菌の過剰増殖(SIBO)を引き起こす可能性があることがわかっています。
SIBOの症状は:
-腹痛と膨満感
-吐き気
-下痢
-食欲不振
-減量
-栄養失調
ですが、プロバイオティクスを摂取し続けることで、SIBOの発生率が低くなるという研究結果も報告されています。
胃酸逆流にはどのプロバイオティクスがよいか
一言でプロバイオティクスと言っても、その種類は非常に多岐にわたります。
報告によると、GERDについてのプロバイオティクスのほとんどの研究は、ラクトバチルス細菌株に対して行われているようです。
また、枯草菌(こそうきん)や、エンテロコッカス・フェシウムなども研究の対象となる場合もあるようです。
これらの菌株の中のいずれかが胃酸逆流に役立つ可能性があります。
治療がなければ、酸逆流はより深刻な状態や合併症につながる可能性があります。
生活習慣の見直しやラクトバチルス菌などを含むプロバイオティクスを数日または数週間摂取してみても症状が続く場合は、診察を受けられることも併せてお勧めしたいと思います。
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引用文献:
Do probiotics help with acid reflux?
GERD (persistent acid reflux): Symptoms, treatments, and causes
Correlation between chronic treatment with proton pump inhibitors and bacterial overgrowth in the stomach: any possible beneficial role for selected lactobacilli?