睡眠時無呼吸症候群と脳の健康アルツハイマー型認知症の共通点!?
睡眠時無呼吸症候群と聞くと、いびきや肥満などとの関連がまず考えられることが多いかもしれません。
ですが、フランスの科学者が高齢者の脳をスキャンしたところ、睡眠時無呼吸と同様のアミロイドプラークの存在が発見されたとの報告があります。
睡眠時無呼吸症候群とアルツハイマー型認知症との関連性や脳の健康について探ってみました。
睡眠時無呼吸症候群とアルツハイマー型認知症
睡眠時無呼吸症候群は、人が睡眠中に呼吸を一時停止する睡眠障害です。
一般的な症状のものは閉塞性睡眠時無呼吸とも呼ばれ、睡眠中に上気道が塞がれたときに起こり、気流が10秒以上の間、止まることもあるようです。
睡眠時無呼吸の人が治療をしないままでにしておくと、心臓病、高血圧、脳卒中、うつ病などの他の病気を発症する可能性があることが報告されています。
一般的な治療方法には、以下のようなものがあると報じられています。
-体重を減らす
-睡眠時の姿勢矯正
-鎮静剤の回避
-口腔用のマウスピース
-CPAPと呼ばれる専用の機械(閉塞した気道を空気の圧力で広げ、安全に気道を確保する治療方法)
-外科的処置
一方、認知症の主な原因であるアルツハイマー病は、進行性の神経変性疾患です。
認知症には、記憶喪失や思考、言語、問題解決能力の困難が含まれます。
アルツハイマー型認知症については、治療薬としての改善や予防などにも焦点が当たっての研究が進んできているものの、現在のところは、投薬だけでは確実な治療には至っていないようです。
また、薬以外での治療方法も発達してきているものの、確実とされる治療方法は確立されていない状況のようです。
その理由の一つとして挙げられているのは、アルツハイマー型認知症のの病理学的変化の出現が、その人が症状を示すほぼ10年前と、かなり早く始まることが考えられます。
研究の現場では長い期間において、睡眠時無呼吸などの睡眠呼吸障害がアルツハイマー型認知症を発症するリスクを高める可能性に注目がなされてきました。
ですが、これまでは、これら2つの病状の条件を結びつける生物学的メカニズムを特定することができませんでした。
睡眠の質と認知症の関連性
近年の重なる研究によって、睡眠時無呼吸の状態では、脳内にアミロイドタンパク質のはっきりした蓄積があることが発見されました。
このタイプのタンパク質の蓄積は、タンパク質が脳にプラークを形成するときのアルツハイマー型認知症の特徴と同様です。
さらに、アルツハイマーに関連する脳の領域において、灰白質量が増加し、同様にニューロン活動の増加が発見されました。
これらは、脳のこの領域に炎症があることを示している結果となります。
現在のところ、アルツハイマーの治療の臨床試験がまだ成功していないようです。
そのため、未知の部分もまだ多いことがうかがえます。
その中で、睡眠の質と認知機能低下のリスク、アルツハイマー型認知症との関連性を説明するメカニズムは明らかになっているようです。
フランスのカーン大学の上級著者であるGéraldine Rauchs博士は、下記のように発表しています。
「これらの人々が必ずしも病気を発症することを意味するものではありませんが、睡眠時無呼吸の人はアルツハイマーの危険にさらされているため、治療するための効果的な解決策が存在する」と述べています。
つまり、睡眠障害、特に睡眠時無呼吸を治療することにより、アルツハイマー型認知症を予防できる可能性があるということになります。
現在のところはまだ明らかになっていませんが、研究者らは、睡眠時無呼吸とアルツハイマー型認知症の共通の根底にある生物学的なメカニズムを示す可能性があります。
これにより、アルツハイマーの予防がより身近になってくる可能性があります。
アルツハイマーの予防や睡眠時無呼吸症候群には、ほかにも食品や食事とそれらに含まれる栄養素、食習慣や生活習慣など関連する情報があります。
この場でも新しい研究結果や報告を観ながら、ご紹介できるようにしたいと思います。
ぜひ幅広く記事をご覧になり、健康にお役立ていただけると幸いです。
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引用文献:
Sleep apnea linked with Alzheimer’s-like changes to the brain
成人睡眠時無呼吸症候群