女性の更年期のほてりやホットフラッシュの予防策や改善策に有酸素運動?
ほてりは、血管運動症状とも呼ばれ、閉経期(閉経周辺期)の症状の中で最も一般的といわれており、多くの女性が経験する症状の一つです。
更年期障害に向かっている女性の多くがほてりの症状を持っています。
ほてりは、更年期移行を超えて何年も起こることがあるため、多くの女性が悩まされています。
女性の更年期のほてりは予防できるのでしょうか?
女性の更年期のほてりやホットフラッシュの予防策や改善策に有酸素運動がおすすめされることが増えているようですが、どのような関連性があるのかを探ってみました。
更年期障害におけるほてりとは
更年期障害におけるほてりは、突然起こります。
急に暑さを感じたり、時には顔が赤く紅潮したり、多くの汗をかくことが多いようです。
ほてりについては何が原因なのかは正確には分かっていませんが、循環の変化に関連している可能性があります。
ほてりは、皮膚表面付近の血管が広がって冷えると始まり、汗をかきます。
時には、心拍数が上がったり、悪寒を感じる場合もあります。
さらに顔と首の赤みを加えた症状のことをホットフラッシュと呼んだりもします。
夜間、眠っている間にそれらの症状が起こる場合もあります。
それは、寝汗として現れることがしばしばのようです。
寝汗によって中途覚醒が起こることにより、ぐっすり眠れなくなる場合もあります。
女性の約10人に2人はこのような症状を感じないと報告されているものの、その一方で、10人中8人の女性においては、その期間はバラバラであっても、多少なりともほてりを感じていることになります。
このようなほてりの期間は女性によって異なりますが、平均して、女性は約7年間ほてりや寝汗に悩まされているとの報告があります。
更には、その期間が長くなる女性では、10年以上にわたって悩まされる方もいるようです。
一般的な理解では、脂肪率の高い女性は、より重度のほてりを報告することもあるようです。
ほてりの予防
更年期障害のほてりを避けて通ることは難しいとされています。
ですが、少しでも軽減するために、できるだけ避けた方が良い物もあります。
一般的に予防策や改善策に挙げられているものは次のとおりです。
-ストレス
-カフェイン
-アルコール
-辛い食べ物
-締め付け感のある服装
-暑さ
-タバコの煙
また、予防のためにできることは次の通りです。
-できるだけ冷静さを保つ
-深くてゆっくりとした腹呼吸
毎分6~8回の呼吸を試してみてください。
ホットフラッシュが始まったら、深呼吸をする習慣をつけると良いかもしれません。
-冷たい枕
夜には、冷たい枕など冷却できる寝具を使用することが役立つかもしれません。
-綿素材
綿などの天然繊維で作られた、軽量でゆったりとした服を着ることもおすすめです。
ほてりと有酸素トレーニング
ほてりと有酸素運動との関連を調べた研究があります。
43~63歳の健康な女性に、6ヶ月間に週4回、50分間の有酸素トレーニングを行ってもらった結果は次の通りです。
トレーニングに参加した女性の健康アンケートによると、6ヶ月のトレーニングの後、トレーニングをしていない女性よりも活力や精神的健康において、とても優れた結果になったそうです。
そして、特に夜間にほてりの頻度が減少したと報告されています。
有酸素トレーニングをしたことで、おそらく睡眠の質が向上し、夜間のほてりによる覚醒が少なくなった可能性があります。
また、血管の健康のに関しても有酸素トレーニングからより多くの利益を得た可能性があります。
また、脂肪率の高い女性は、より重度のほてりを報告していたことから、体重減少がほてりの減少と関連している可能性も報告されています。
身体運動は、脳の視床下部のエンドルフィン産生を増加させることでも知られています。
エンドルフィンは脳下垂体に存在しホルモン様の働きをしているものと考えられているため、更年期の体温調節を安定させ、ほてりを鎮める可能性があるとも考えられます。
有酸素トレーニングは、どのような年代の人にとっても精神的、肉体的健康に有益との受け止め方が一般的ですが、更年期の女性にとっても有益と言えるのかもしれません。
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引用文献:
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