足がつる下肢筋筋肉のけいれんの原因と予防策?
夜中に足の筋肉がつって、激痛で目を覚ました経験をお持ちの人は思う以上に多いようです。
筋肉のけいれんは、特に高齢者や神経疾患を持つ人々にとっては非常に一般的と言われますが、痛みによる苦しみや睡眠不足などに大きな影響を与えます。
足の筋肉の痙攣を前もって予防することはできるのでしょうか?
足のけいれんの原因や予防策についての研究や報告から健康のヒントを探ります。
足のけいれんの原因
足の痙攣の原因は一つではないため、一概には言えませんが、一般的な足けいれんの原因は、主に体の電解質のバランスや水分バランスが崩れることと言われています。
また、研究からは下記にお伝えする隠れた疾患との関連も考えられるとのことからも、足の痙攣が続くようであれば注意が必要です。
足のけいれんの予防対策
下肢けいれんはとても不快な症状です。
通常は、ふくらはぎがつることが多いのではないでしょうか?
足の筋肉のけいれんの予防には、どのような対策があるのでしょうか?
-ストレッチ
全員が50歳以上の参加者による下肢けいれんの臨床試験での結果報告によると、毎日のふくらはぎとハムストリングのストレッチは重症度を軽減する可能性があることがわかっています。
ただし、ふくらはぎを単独でストレッチしても、けいれんの頻度には関係しない可能性があります。
-水を飲む
寝ている間に汗をかきやすい夏の時期は、体の水分や電解質のバランスが崩れて足がつる確率が上がることが考えられます。
寝る前に一杯の水を飲むことをおすすめします。
-冷房対策をする
体が冷えすぎないように冷房を調節したりするなどの対策により、足のつらい痛みから遠ざかることができるかもしれません。
-体重減少
メタボリックシンドロームの患者は、足をつりやすいかもしれません。
-マッサージ
穏やかな熱や温水によるマッサージは、脚のけいれんの緩和に役立つかもしれません。
-栄養
カルシウムやマグネシウムなどの栄養素の不足はないか確認してみることも良いかもしれません。
下肢けいれんの隠れた疾患
下肢けいれんは、通常は一過性のもので数分くらいで改善されることが多いものです。
しかし、一部の方に関しては、その症状は一過性ではなく、何か別の病気の知らせである可能性もあります。
どのような病気との関連があると考えられているのでしょうか?
-筋ジストロフィー
筋ジストロフィーは、筋肉細胞の原形質膜中の不適切な糖タンパク質によって誘発される、筋肉の進行性から全般性疾患につながる遺伝性障害です。
-パーキンソン病
パーキンソン病もまた、けいれんとの大きなかかわりがある病気です。高齢者が多くかかる疾患です。
-甲状腺障害(機能低下)
甲状腺機能の低下により、足の痙攣を繰り返す可能性があります。
甲状腺の問題は、女性のほうが男性に比べて多い傾向があります。
甲状腺機能低下症と診断された場合、甲状腺機能とホルモンの値を改善する必要があります。
-2型糖尿病
まれに2型糖尿病において、落ち着きのない脚症候群を発症する場合があります。
これは、患者が安静時に足などの四肢を動かしたいという衝動に駆られる内因性睡眠障害です。
まとめ
足がつる下肢筋けいれんは、夏場に多い可能性があります。
それは、下肢けいれんの多くは体内の水分や電解質のバランスが崩れて起こるものであるためです。
そのため、寝る前には水分をとってから寝ることや、必要以上に体を冷やさないことが重要となります。
また、下肢けいれんには隠れた病気の可能性があります。
筋ジストロフィーやパーキンソン病など、明らかに筋肉との関連のある疾患とは別に、甲状腺機能障害や2型糖尿病のサインである可能性もあるため、あまりにも症状が続く場合は医師の判断を仰ぐことも検討された方が良いかもしれません。
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引用文献:
Non‐drug therapies for the secondary prevention of lower limb muscle cramps
Tonic vibration reflex in spasticity, Parkinson’s disease, and normal subjects
Thyroid Problems & Leg Cramps
Restless legs syndrome in type 2 diabetes mellitus