慢性便秘症を改善してうつ病、肥満などの不調にアプローチする方法
便秘気味や慢性的な便秘症は、特に女性や高齢者のほうが悩む方の割合は多いようです。
慢性便秘症は、私たちの腸内環境との関わりや、心情や感情からはじまり、心血管疾患や腎疾患などとも関連していることが報告されています。
そのために、消化器症状の1つとしてではなく、今や全身疾患の1つの症候ととらえた方が適切と言われているそうです。
便秘の定義は人それぞれです。
慢性便秘症診療ガイドラインによると、排便回数が少ない場合であっても必ずしも便秘とは言えず、毎日必ずお通じがある人でも溜まっている感覚があれば便秘と定義されるようです。
便秘を改善して、より健康に近づくためのヒントを探ります。
Contents
ストレスを解消する
便秘解消のための方法の一つとして、神経のバランスをとることがおすすめされています。
ストレスがたまると、腸の働きがゆっくりになり、消化不良と便秘につながります。
このため、ストレスを感じやすい人はそのストレスを解消したり、ストレスになる物事から離れることをおすすめします。
また、その一方で、何か他の要因によって、腸内環境が乱れた状態となったことが引き金となり、ストレスや感情の変動につながっていることも考えられそうです。
人がリラックスしているときには、副交感神経系が活発になります。
副交感神経が活発になると、食べ物の栄養素の吸収が良くなり、排せつも容易になります。
朝にあわただしく準備をしたり、情報を見たりすることは、リラックスにつながりません。
時間に余裕を持って行動することがリラックスへのヒントと言えそうです。
ストレス反応を和らげたり、緩和したりすることで知られる自然界の成分で構成されているハーブやサプリメントなども近年は豊富に紹介されています。
それらの中には、間接的に消化を増強するのに役立つとされる内容もあるようです。
また、マグネシウムは副交感神経をサポートし、便に水を引き込むことによって排便をスムーズにする可能性があることでも知られています。
水分補給と繊維
便は主に水で構成されているため、健康的な排泄のためには十分な水分補給が必要となります。
一度にたくさんの水分をとるよりも、少しずつ飲み続けることの方が効果的で、かつ大切とも伝えられています。
また、食物繊維が豊富な食品や食事は、便秘の予防や改善に重要な働きを担っています。
ナッツや全粒穀物、またはセルロースの繊維サプリメントなどは、水分と一緒に取ることにより便秘解消に役立つことでも知られています。
また、シソの葉の抽出物は消化管を刺激することなく正常な胃腸運動をサポートすることが報じられています。
腸のマイクロバイオーム
ヒトには自身の細胞よりも多くの微生物叢が棲んでいます。
これらの微生物のほとんどは腸内にあると言っても過言ではありません。
言うまでもないことですが、腸内環境を整えることは便秘解消の一番の方法とも言えます。
健康的な微生物叢のためには、キムチ、ヨーグルト、味噌などの発酵食品を食事に含めることがとても大切です。
さらに、プロバイオティクスのサプリメントを摂取することにより、健康な微生物バランスをサポートすることができると報告されています。
これらを日頃の生活に取り入れることによって、消化機能だけでなく、うつ病、肥満、心臓病、II型糖尿病などの予防や改善にも効果を期待することができます。
まとめ
慢性便秘症は様々な疾患につながるため、便秘改善の方法を早めにとることが必要です。
リラックスして副交感神経を優位にさせること、水分補給と繊維質をおおめにとること、また、腸内細菌のバランスを整えることが便秘解消のヒントとなりそうです。
他にも、早寝早起きで生活リズムを整えることや、軽い運動を心掛けるなど、簡単にできることもあります。
慢性便秘症を改善して、健康への近道をたどりましょう。
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引用文献:
慢性便秘症診療ガイドライン2017
Constipation: Solutions to Make All Systems “Go”!