植物やキノコのヘミセルロースは天然の免疫増強剤?
ヘミセルロースは、米や小麦等をはじめとする植物の細胞壁に含まれる、不溶性の多糖類の総称です。
似た名前でセルロースがありますが、これとは別の多糖であることが知られています。
ヘミセルロースは、植物の細胞壁でリグニンやセルロースと共に複合体を形成しています。
セルロースがグルコースのみからなるのに対し、へミセルロースは様々な糖からなっています。
ヘミセミロースの驚くべき健康効果を探ります。
代表的なヘミセルロースとその効果
一般的に良く知られるヘミセルロースは、「キシラン」、「アラビノキシラン」、「グルコマンナン」です。
キシランは、キシリトールやキシロオリゴ糖のもととなるヘミセルロースです。
善玉菌を増やして腸内環境を整えるプレバイオティクス繊維です。
アラビノキシランは、可溶性と不溶性の両方の繊維を含み、強力な抗酸化作用を持っています。
グルコマンナンは、便秘や体重減少のために一般的に使用されているヘミセルロースです。
また、免疫機能を強化してくれる機能を持ったヘミセルロースも存在します。
それは、「アラビノキシラン」と、「アラビノガラクタン」です。
アラビノキシランの効果
「アラビノキシラン」は、米、小麦、ライ麦、大麦、キビ、トウモロコシなどの多数の穀物の細胞壁に見られるヘミセルロース化合物です。
アラビノキシランは腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸に分解することができます。
これにより、アラビノキシランはプレバイオティクスの一種と考えられています。
研究によると、アラビノキシランはビフィドバクテリウム属の食物源であり、酪酸菌を増やす働きがあることがわかっています。
また、アラビノキシランの補給により、ビフィズス菌、短鎖脂肪酸、酢酸塩などをも増加させ、反対に病原体の数を減らします。
更なる研究報告の中には、過敏性腸症候群にも効果が発揮され、下痢および便秘の症状が穏やかになることを伝えている内容も目立っているようです。
ある研究によると、米糠由来のアラビノキシランが、免疫細胞であるマクロファージを活性化し、体内をきれいにする手助けをすることが報告されています。
これにより、ナチュラルキラー(NK)細胞が活性化し、免疫力の向上につながることが期待できるといえそうです。
アラビノガラクタンの効果
「アラビノガラクタン」は、カラマツの木のような植物に見られるヘミセルロースの一種です。
また、アラビノキシランと同様に、小麦、ライ麦、大麦、スペルトなどの穀物にもアラビノガラクタンが見られます。
アラビノガラクタンもまた、腸内細菌のプレバイオティクスとして役立つことが示されています。
腸内において、ビフィドバクテリウム属などの健康な細菌群を増加させ、病原性の菌を低下させ、酪酸塩などを増やします。
また、アラビノガラクタンは腸もれ(リーキーガット症候群)や、各々の炎症に関連するパラメータを改善することも示されています。
健康なヒトでは、適度な用量のアラビノガラクタンは免疫活性を高めることが示されています。
まとめ
米や小麦等をはじめとする植物の細胞壁に含まれるヘミセルロースには、いくつもの種類がありました。
一般的に良く知られるヘミセルロースは、キシラン、アラビノキシラン、グルコマンナンです。
それぞれ、プレバイオティクス効果、抗酸化作用、ダイエットにと、私たちに必要な効果があることが様々なところで報告されています。
中でも注目したいのはアラビノキシランとアラビノガラクタンです。
アラビノキシランとアラビノガラクタンは、特に免疫力を自然に強化してくれる成分の一つで知られています。
そしてさらに、白米、大麦、山芋、オリーブ、霊芝、椎茸の組み合わせからのヘミセルロースのブレンドは、特に強い免疫支持効果を有することがわかっています。
自然の食物から天然の免疫を享受したり、腸内環境を整えたりするには、このような植物を食品や食事で補ったり、補助食品的なサプリメントなどを意識してみるのもおすすめといえそうです。
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引用文献:
ヘミセルロース(Wikipedia)
Hemicellulose – A Natural Immune Enhancer?