社会的孤立や孤食を避け、心臓病のリスクを減らす?
社会的孤立や孤独は、心と体に悪影響を及ぼすことが研究で報告されています。
ハーバード大学医学部の研究者が貢献したよる大規模な医療研究データベースの「Women’s Health Initiative」によると、閉経後の女性57,825人を調査したところ、追跡期間中に、約1,600人の参加者が心血管疾患と診断されました。
心血管疾患の内容は様々で、冠状動脈性心疾患、脳卒中、さらに心血管疾患による症状や死亡の原因になり得ることが含まれていました。
新型コロナウイルスや感染症などが存在している世界の状況で、このことをどのようにとらえたら良いのでしょうか。
社会的孤立と孤独とは?
社会的孤立とは、自分以外の他人に触れたり、見たり、話したりしないなど、物理的に人から離れることです。
一方で、孤独とは感情の一つであり、定期的に他人と接触している人でも経験することがあります。
高齢者は、退職、家族や友人の死、日常生活での活動の減少などにより、常に社会的孤立や孤独のリスクにさらされています。
また、女性は、男性よりも社会的孤立を経験していることが示されており、女性の健康にそれらの影響が及んでいることも考えられます。
女性の方が平均寿命が長いため、将来一人で暮らす可能性が高く、男性に比べて社会的孤立を経験する傾向があるようです。
社会的孤立と孤独は、肥満、喫煙、アルコールの消費、身体的な不活動やうつ病、貧しい食生活、高血圧、高コレステロールなどの心血管疾患のリスクを高める健康状態と関連しているため、懸念が高まっています。
一人で食事をする孤食のリスク
別の研究結果では、一人で食事をする孤食も、心血管のリスクにつながることが示唆されています。
この実験は2016年に韓国で行われました。
韓国の栄養調査のデータを調べ、65歳以上の590人の女性を2つのグループに分けて調査しました。
2つのグループとは、頻繁に一人で食事をとる人と、他の人と1日に2食以上の食事を食べる人々です。
その結果、頻繁に一人で食べた女性は栄養知識が少ないだけでなく、栄養価の高い食事も食べていないことがわかったそうです。
こ知らのタイプの女性は、未亡人である可能性や、低所得であることともかかわってくるようです。
孤独を感じずに年を重ねる工夫
孤独をできるだけ感じないように年齢を重ねていくためには、どのようなことを意識すればよいでしょうか。
方法の一つとしては、家族や友人と密に連絡を取り合うことが言えると思います。
また、身体を動かすことによりストレスの発散になったり、人間関係が広がる可能性もあります。
趣味やボランティア活動など、地域の活動に参画することで、地域での繋がりを築いてみてはいかがでしょうか。
少しのライフスタイルの変更によって、気分や孤独がかなり薄らぐ可能性もあります。
ぜひ工夫して行動してみることをおすすめしたいと思います。
まとめ
心血管疾患の危険因子の一つとして、社会的孤立と孤独があることが研究結果によりわかりました。
心血管疾患の原因は他にも、高血圧、高コレステロール、肥満、喫煙、座りがちな生活習慣にも原因はあると言われています。
そのため、生活習慣に留意しながら、孤独や孤食を避けて過ごす意識が必要です。
新型コロナウイルスや感染症の蔓延により、高齢の家族となかなか会う機会を持てなかったり、会話をすることが減ったというご家庭もあるかと思います。
状況を鑑みながら適切にコミュニケーションをとることにより、気分だけでなく心血管にとっても良いことにつながりそうです。
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引用文献:
Regular solo dining may be linked to a higher risk of heart disease
Social isolation and loneliness add up to higher heart risks
Evaluation of Social Isolation, Loneliness, and Cardiovascular Disease Among Older Women in the US