プロバイオティクスは抗生物質やカンジダに関係?
ほとんどの方が、風邪や外傷などで抗生物質を処方され、使用した経験があるかと思います。
細菌感染症の治療法で使用される抗生物質で多くの場合、助けられています。
同時に、体は抗生物質薬によって助けられたかもしれませんが、一方で害に及んだという報告も存在しています。
どういうことが考えられているのか、抗生物質の使用中や使用後の注意点を確認してみました。
抗生物質の影響
抗生物質は、さまざまな細菌感染症に対する治療法の一つです。
実際に、抗生物質は多くの人の命を救うのに役立っています。
ですが、抗生物質に副作用のリスクがないわけではありません。
その理由は、抗生物質が病原菌だけでなく良い細菌をも殺してしまうためです。
抗生物質薬は、細菌の中でどの株を殺すかなどは特に識別できません。
抗生物質はその性質上、消化管および他の身体系の微生物環境を破壊します。この際、細菌の良い株をも悪いものと一緒に殺してしまいます。
このようにして、細菌バランスに変化が起こります。
特に微生物の大部分が棲んでいると言われる胃腸管において、多くの細菌が殺されます。。
多くの人々が、抗生物質を服用した後に下痢を起こす場合がありますが、これは通常の微生物環境に変化があったことの証拠となります。
長期的には、微生物の種類や数が少なくなることは、肥満、湿疹、喘息、アレルギー、カンジダ菌過多、さらには不安や抑うつなどの気分の不均衡にも関連しています。
さらに、細菌は時間の経過とともに変異し、適応していきますが、これは抗生物質耐性感染症をもたらし、薬の有効性を落としてしまいかねません。
プロバイオティクス
抗生物質使用の際に、副作用を最小限に抑えながら病原体や感染と戦うための方法があります。それがプロバイオティクスの併用です。
プロバイオティクスは、抗生物質(アンチバイオティクス)とは相反するものです。
従来の抗生物質治療の代わりに、または後に、その状態に見合ったプロバイオティクスを補うことは、感染症をより効果的に治療するのに役立つだけでなく、再発のリスクを軽減する可能性もあります。
プロバイオティクスは抗生物質関連下痢の発生率を42~50%減少させることができることが多くの報告で示されています。
プロバイオティクスの中でも、特にラクトバチルスとビフィドバクテリウム種の株は、抗生物質関連下痢を含む症状に対しても効果的にサポートをすることが示されています。
プロバイオティクスは抗生物質使用の副作用を軽減するのに有効とされていますが、すべての株が同じように作られているわけではありません。
研究で有益であることが示されたプロバイオティクス株には、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ビフィドバクテリウ
ム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、サッカロマイセス・ブラウディ、バチルス・コアギュランスが含まれ、成人の1日当たり1億から500億コロニー形成単位(CFU)の効力を持っています。
まとめ
抗生物質を処方された際に、プロバイオティクスを併用することの利点は明らかです。
抗生物質と組み合わせてプロバイオティクスを使用するメリットを後押しする議論は日々進められています。
中でも、高品質で多くの株を含有するプロバイオティクスのサプリメントは、抗生物質によって引き起こされる微生物バランスの乱れを最小限に抑えてくれる可能性があります。
そのことにより、感染症と戦う抗生物質を用いた治療を成功させ、抗生物質薬を服用することの副作用と長期的な影響を軽減し、再発のリスクを大幅に低減してくれるとの報告があるために、今後の更なる研究と報告を期待したいものです。
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引用文献:
Bouncing Back After Antibiotic Use: Probiotics to the Rescue!