代謝にかかわる胆汁にはプロバイオティクスが必要?
異なる動物からの胆汁による治療は、古代中国の伝統的な漢方医学にさかのぼります。
漢方医学では、胆石、感染性皮膚疾患、火傷、視力、呼吸器感染症、てんかんの治療などに胆汁酸が使用されていることでも知られています。
動物の中でもウシの胆汁は、ヒトの胆汁に見られるのと同じ胆汁酸を多く含んでいるため、医学の面で特に役立てられているようです。
胆汁は、私たちの健康と大きく関わっていますが、普段は胆汁という言葉にあまりなじみがないかもしれません。
胆汁とはどのようなもので、体内でどのような働きをしてくれているのでしょうか?
Contents
腸肝循環
胆汁とは、肝臓で生成される黄褐色の液体です。
1日に約600mlも分泌され、食物中の脂肪を乳化することによって消化酵素の働きを助け、脂肪の自然な消化吸収に重要な役割を果たします。
さらに、脂肪を分解した際の分解産物に作用して小腸から吸収されやすく変化させます。
腸内に分泌された胆汁酸は胆汁とともに胆管を経て、十二指腸管内に一旦分泌されたのち小腸で再吸収され、肝臓に戻されます。
これを、腸肝循環と言います。
腸肝循環では、腸内細菌が大きな役割を果たしています。
胆汁酸の役割
胆汁の詳しい成分の発見は、19世紀半ばにさかのぼります。
発見された胆汁酸の健康的な役割には、主に以下のようなものがあることが報告されています。
-胃腸疾患
-代謝機能
-肝臓や胆嚢の健康
-皮膚の健康
-乾癬
胆汁酸は胃腸に対する働きに加えて、代謝機能や肝臓、胆のうの健康に重大な影響を及ぼします。
さらに、皮膚の健康に影響を与え、乾癬も改善する可能性があります。
胆汁酸はまた、正常で健康な血管をサポートする役割を果たしている可能性があるともみられています。
胆汁酸と代謝とプロバイオティクス
これまでもお伝えしてきましたが、胆汁酸は代謝と大きく関わっています。
つまり、血糖値やコレステロール、ダイエットやデトックスなどとも密接な関わり合いがあるということになります。
2型糖尿病の患者における胆汁酸の変化については、常に研究が行われています。
またある研究では、肥満手術で見られる体重減少および血糖コントロールの改善は、胆汁酸の利用の変化による可能性があることを示唆しています。
胆汁酸はまた、通常の食事誘発性肥満にも対抗することが示されています。
健康な女性による胆汁酸の補給実験では、下痢などの有害な影響なしに全身のエネルギー消費増加することが示されました。
さらに、胆汁酸と代謝との関係で注目したいのは、代謝を変更するためのプロバイオティクス細菌の使用の際の変化です。
プロバイオティクスであるラクトバチルス・ロイテリを用いたヒトの研究では、胆汁酸に加えて使用されたプロバイオティクスはコレステロールのバランスを改善するだけでなく、過敏性腸症候群の症状を改善することができることが示されています。
まとめ
胆汁酸は、代謝や肝臓において大変大きな役割を担っているといえます。
胆汁酸が滞ると、私たちの体は代謝がうまくいかず、エネルギーの消費が滞ってしまい体重が増加したりもします。
さらには、胃腸疾患や肝臓や胆のうの病気など大きな疾患につながる可能性があります。
また、現代人は、コレステロール、デトックス、代謝などに敏感になる必要があるかと思います。
胆汁酸のサポートには、ヒトの胆汁に見られるのと同じ胆汁酸を多く含んでいるウシの胆汁を利用する場合が多いようです。
サプリメントで補給できるものもありますので、気になる方は専門家にご相談をされることがおすすめです。
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