牛乳とヨーグルトのカゼインたんぱく質や乳脂肪摂取は乳がんリスクが高まる?
乳がんは、世界中の女性において最も一般的ながんの一つであり、世界の女性におけるがん死亡率の主な原因となっています。
その発生率と死亡率は、過去30年間に増加しています。
乳がんの発生率は、外因性ホルモン摂取量、食事、アルコールなどの色々な要因の影響を受けることが報告されています。
中でも、乳製品の摂取と乳がんとの関連に関しては、多くの研究が行われています。
乳製品に含まれる乳脂肪や、たんぱく質の一種のカゼインなどから誘発される反応が炎症の原因になっているなどの可能性の指摘もありますが、健康と予防のヒントを探ります。
Contents
牛乳や乳製品と乳がん
実際に、牛乳などの乳製品のいくつかの成分が乳がんリスクに影響を与える可能性があることが示唆されています。
全乳やチーズなどの一部の乳製品は脂肪分が高いいわゆる高脂肪食ですが、それらが何らかの反応を誘発することのリスクを高める可能性があるとのことです。
さらに、乳製品には、発がん性を有する農薬が含まれている可能性があります。
乳がんのリスクとの関連で低脂肪・脱脂乳、全乳、ヨーグルトを調べた研究によると、牛乳または乳製品の消費と乳がんリスクとの強い関連性があるという証拠は示されませんでした。
乳製品摂取量と乳がんの関係をよりはっきりと検証するためには、さらなる研究が必要とされています。
一方で、カルシウムやビタミンDなどの牛乳の一部の成分は、乳がんのリスクを軽減するために役立つ可能性があります。
そのため、牛乳や乳製品を適度に摂取することも必要とも言えそうです。
乳がんの原因?
乳がん科学の進歩、早期発見、そして高度な治療により、近年では乳がんの生存率は向上しました。
しかしながら、乳がんの発生率自体は改善されませんでした。
乳がんの予防については、まだ多くのことが理解されていません。
また、ほとんどの乳がんは長年にわたって複数の要因の組み合わせから発生すると考えられています。
危険因子には、主に、下記のようなものがあるようです。
-アルコール消費量
-タバコ
-体重の増加
-乳房密度
-母乳育児と授乳
-化学品
-炎症
-放射線
-非電離放射線
-夜の光
-初潮と更年期障害
-マイクロバイオーム
-栄養と食事の要因
-職業的要因
-初回出産時の年齢
-医薬品ホルモンの使用
-身体活動
-化学物質
-周囲の騒音
-人種、権力、不平等
-社会的および構築された環境
-ストレス
-ビタミンD
乳がんを防ぐ食事や生活習慣
乳がんはいろいろな要因により発症することからもわかるように、これをしていれば乳がんにならないということはありません。
しかしながら乳がんに対して抗ガンの効果がありそうな食物が報告されています。
それによると、大豆、ザクロ、マンゴスチン、柑橘類、リンゴ、ブドウ、マンゴー、アブラナ科野菜、ショウガ、ニンニク、ブラッククミン、穀物など、多くの食事性天然物が乳がんの発症と進行に影響を与える可能性があることを示しました。
これらを含んだ食べ物や食事をバランスよく食べることで、少しは安心して過ごすことができストレスからも身を守ることができるかもしれません。
また、生活習慣の面では、運動をする、早寝早起きをする、水をたくさん飲む、食事はバランスよくゆっくり噛んで食べる、タバコやアルコールの摂取は控えるなど、一般的に言われるような健康的な生活習慣が、乳がんをはじめとする様々ながんの予防になることは間違いなさそうです。
牛乳や乳製品については、現在までのところその消費量と乳がんリスクとの強い関連性があるという証拠は示されませんでした。
研究者の中には日本人は乳成分や乳脂肪食品や飲料に含まれるカゼインたんぱく質を消化させるのに、一般的な欧米人と比較した場合には、体内で労力がより必要なことも考えられると報じています。
いずれにしても、乳製品の摂取量と乳がんの関係については今後も研究がかわねられていくをよりはっきりと検証するためには、さらなる研究が必要とされています。
関連記事:
女性の乳がん予防におすすめの役割と食品栄養素
乳がん予防や前立腺がんの原因を減らすおすすめ食事法や生活習慣?
乳がんリスクや可能性を減らすオリーブオイルを含む食べ物や食事?
牛乳の豊富な栄養と健康への留意点
乳糖不耐症と牛乳アレルギーの違い
引用文献:
Milk and yogurt intake and breast cancer risk
An Expanded Agenda for the Primary Prevention of Breast Cancer: Charting a Course for the Future
2022年9月1日更新