ファストフードの化学物質が子供にもたらす影響?
ハンバーガーやポテト、チキンナゲットなどは、子供に人気のメニューで、大人でも時々食べたくなることがありますよね。
ファストフードは、その手軽さと親しみやすい味わいから、気軽に利用される方が多いかと思います。
ですが最近の研究によると、ファストフードにはかなりの量の「内分泌かく乱化学物質」が含まれていることが示されています。
「内分泌かく乱化学物質」とはどのようなものでしょうか?また、食べ続けることによりどのような影響があるのかを知ることは健康を維持したり、予防に留意する上でおすすめといえます。
内分泌かく乱化学物質とは
内分泌かく乱化学物質とは、簡単に言うと私たちのホルモンを暴走させる毒素 のことで、ヒトに健康に悪影響を及ぼす可能性があることが証明されています。
具体的には、内分泌かく乱物質は、ホルモンの正常なシグナル伝達を妨害し、エストロゲン、テストステロン、甲状腺ホルモンなどのホルモンの効果を乱すことにより、私たちの体のバランスを崩します。
成長と代謝や神経認知の発達などに影響を与えるため、特に影響を受けやすいのは、妊娠中の女性と小さな子供です。
内分泌かく乱化学物質による子供への影響
内分泌かく乱化学物質は、工業用化学物質はもとより、一般的な生活の多くの領域および材料に存在します。
具体的には、日常の家庭用品を含む天然製品と人工製品の両方に含まれています。
ペットボトルから、化粧品、洗剤、農薬、衣類に使用される難燃剤、さらには子供たちが遊ぶおもちゃまで、内分泌かく乱物質は病気を引き起こす原因となり得ます。
実際に、内分泌かく乱化学物質による子供への影響には次のようなものが含まれるとされています。
・注意欠陥/多動性障害(ADHD)
・免疫力の低下
・アレルギー
・自己免疫疾患
・肥満、心臓病、糖尿病などの代謝性疾患
・思春期のトラブル
・その他の健康問題や病気
2021年秋に発表された研究では、アメリカのファストフードに含まれる化学物質の濃度が測定されました。
テキサス州サンアントニオの6つの異なるファストフードレストランから、ピザ、ハンバーガー、フライドポテト、チキンナゲット、チキンブリトーについて調査が行われました。
その結果、11の化学物質のうち10種類の化学物質がファストフードのサンプルから検出されたと報告されています。
肉を含む食品は、より高いレベルの内分泌かく乱化学物質を含むことが判明しているとのことでした。
なお、この調査では、ピザに関しての化学物質の割合は低かったそうです。
内分泌かく乱化学物質の影響は不妊にも
発達中の胎児および新生児は、内分泌かく乱に対して最も脆弱な存在です。
ですので、内分泌かく乱化学物質は、子供だけではなく妊娠中の女性、さらに男性も注意が必要ということにもなります。
不妊症およびホルモン感受性癌を引き起こす性ステロイドホルモンの合成、作用および代謝を妨げる可能性があるため、不妊に対してのお悩みを抱えている方は特に意識されることが重要です。
不妊症以外にも、次のような症状を引き起こす可能性があることがわかっています。
・流産、多嚢胞性卵巣症候群、および低精子数
・癌、特に乳癌および前立腺癌
・甲状腺疾患
また、この化学物質は曝露のタイミングも重要なことで知られています。
内分泌かく乱化学物質は体内に非常に長い時間蓄積することがわかっています。
そのため、有害な作用は、年齢を重ねてから後になって現れる場合も少なく無いようです。
まとめ
ハンバーガー、フライドポテトなど、美味しくて子供にも人気のあるファストフードは、大人になってもついつい食べたくなる食べ物といえます。
肥満や栄養バランスの面で懸念があることは何となく想像がつくかと思いますが、ホルモンへの影響もとても強力であるために、好きな時に好きなだけ食べる食品群ではないと言えそうです。
自分の一生の健康、さらに子供への影響を考えると、ファストフードを食べる際には、その後のデトックスも含めて考慮されることがおすすめと言えるかもしれません。
いずれにしても、私たちの身の回りに多いため、上手にお付き合いできるようにしておきたいものです。
関連記事:
ADHDや自閉症スペクトラム障害の子どものための栄養素
不妊症、妊娠の健康や栄養素とメラトニン
食事で野菜を増やして肉類を3%減らすとすごい健康効果?
お問い合わせはこちらから
受付時間 am9:00-pm5:00/土・日・祝日除く
引用文献:
What’s in That Fast Food?
Endocrine-disrupting chemicals and child health
New insights on the effects of endocrine-disrupting chemicals on children
Endocrine disrupting chemicals