ファスティングの断食効果は減量以外に慢性疼痛症候群も?
ファスティングとは、一定の期間、固形物を食べないことを指します。
少しつらいことのように感じられるかもしれませんが、身体をリセットすることで期待できることがあります。
一般的に考えられることとして、減量の効果を期待される方が多いかもしれません。
しかしながら、ファスティングがもたらす効果はそれだけではないようです。
具体的には、慢性疼痛症候群やその他の疾患にも改善の効果が期待できるかもしれません。
ファスティングと健康効果について調べてみました。
慢性疼痛症候群とは
慢性疼痛(まんせいとうつう)症候群とは、「急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛み」と定義されています。
痛みを感じる部分を病院などで検査しても、明確な異常が見られないため、精神的な要因や社会生活が影響していると考えられるケースもあるようです。
薬では治らない場合が多いため、痛みを感じることが精神的な負担となります。
さらにその精神的な負担により、一層症状が長引く悪循環にもなってしまいます。
日本では、慢性疼痛の患者が約2300万人いると推計されています。
慢性疼痛症候群とファスティングとの関連
慢性疼痛症候群における気分を落ち着ける方法として、安全かどうかや、正しい健康方法かどうかはさておき、長期断食を選ぶ方が増えていると報じされています。
固形食品の摂取を制限した意図的な断食の期間をとることは、世界中で実践されているようです。
最近の研究によると、医学的に監督された絶食(200~500kcalの栄養摂取/日)が、慢性疼痛症候群の治療に有効であるとの報告が主流となっているようです。
断食は、覚醒度の増加と気分の増強をも伴うともいわれています。
また、治療的な絶食の気分増強効果や鎮痛効果は、次々に研究が進められているようです。
その他ファスティングにより期待できること?
一時的なカロリー制限や断続的な断食が、慢性疼痛症候群および慢性炎症性疾患の減速または予防に関連していることを見出したデータや研究によって、ファスティングのさらなる有益な効果も見出されています。
断続的なファスティングはまた、癌の化学療法中に行われる治療としても効果が期待できるとの報告も存在しています。
ファスティングは、空腹時誘発性神経内分泌活性化、ホルモンストレス応答、ミトコンドリア酸化ストレスの減少、老化シグナルの減少、およびオートファジーの促進など、その潜在的な健康促進効果に貢献することがわかりました。
ファスティングで体をリセットすることは、ほかにも次のようなメリットがあることがわかっています。
-体重、体脂肪率の減少
-血圧の減少
-頭がクリアになる
-睡眠時間が増えたり、良く眠れるようになる
-リウマチ性疾患
-うつ病
-アルツハイマー病
-肌の調子やお通じが良くなる
-免疫機能の強化
実際、断食療法はほとんどの慢性疾患の予防と治療に貢献する可能性があるとの考えが主流となっているようで、そのことからも研究が進められています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ファスティングは手軽にできる健康法ですが、一定期間固形物を食べないことから、が得ってストレスになったり調子の悪くなる方もいらっしゃることかと思います。
そのような場合には、何日間も連続で食事をしないのではなく、時間を区切って食事をすることでもファスティング効果が感じられるかもしれません。
食事をしないという少し勇気のいる方法ですが、試す場合にはご自分の体調と向き合う良い機会と思って、丁寧に行ってみるのはいかがでしょうか?
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引用文献:
慢性疼痛(Wikipedia)
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