うつ病や不安症とグルテンフリーの関係
うつ病や不安症は、世界中で悩まれている方の多い疾患の一つです。
ライ麦、大麦、小麦などに含まれるタンパク質であるグルテンは、アレルギーや腸漏れや腸管漏れで知られているリーキーガットを引き起こすことでも知られています。
また、近年の報告からは、不安やうつ病と健康とも大きな関連性が示唆されてきているようです。
グルテンフリーとうつ病について改めて報告されている例から健康とのつながりを確認してみました。
うつ病は
うつ病は、世界中の障害の主要な疾患の原因の一つです。
世界中で3億5000万人以上の人々がうつ病を抱えて生活しています。そしてその約50%が未治療のままです。
うつ病は完全に「治った」状態になるには時間がかかる疾患です。
さらに、自殺患者の割合が高い傾向にあることも報告されていることからも、うつ病の予防は世界の緊急課題となっています。
免疫系は、脳の機能と活動に強力な影響を与えます。
研究によると、免疫と炎症のバランスが崩れることにより、うつ病の発症につながることがわかっています。
そして、免疫を活性化するためのゲートは、やはり腸であるようです。
免疫、内分泌、神経、および代謝経路のシグナル伝達は、胃腸と脳との間で起こることがわかっているためです。
グルテンとうつ病
グルテンは、腸管が緩みやすくなったり、漏れやすい腸を引き起こす原因とも考えられています。
そのため、多くの人に神経の炎症を引き起こすことでも有名です。
「グルテン過敏症」という言葉を聞くと腸の問題を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかしながら、この疾患の症状は、腸にのみあらわれる訳ではありません。
それは、疲労、関節痛、皮膚疾患、うつ病などの形で現れます。
また、うつ病の症状は、セリアック病と非セリアックグルテン感受性の両方を持つ人々に共通していることが報告されています。
研究により、グルテンフリー食はうつ病の症状を改善する可能性があることが判明しています。
さらに興味深いことに、セリアック病にかかっていない人でさえ、グルテンを含む食品を無意識のうちに食べた後、抑うつ症状が悪化する傾向がありました。
グルテンと腸内細菌
グルテンタンパク質は、腸管の透過性に影響を与えることがわかっています。
グルテンは胃腸のプロテアーゼ酵素によって加水分解されるとされていますが、筋肉などの分解抑制をするグルタミンの働きによって、スムーズなグルテン分解が阻害される場合があります。
小麦由来の炭水化物は、腸内のビフィズス菌の活性を刺激することが示されています。
そして、その排除は腸内細菌の特異性に悪影響を及ぼす可能性があることがわかっています。
その他うつ病の予防や治療に心掛けたいこと
世界中で問題となっているうつ病には、腸との関連、グルテンフリーとの関連が大きいことがわかりました。
うつ病を予防、または治療する時には、グルテンフリー以外にも心掛けると良いことがあるようです。
-禁煙
ご存じのとおり、喫煙は、人間の予防可能な病気の第一の原因です。
-適切なダイエット
-アルコール量を減らす
アルコールの消費とうつ病は密接に関連していることが多くの研究で確認されています。
-砂糖と精製炭水化物の削減
うつ病の人は、トーストをはじめとするパン類、シリアルなどの炭水化物と甘さを増す糖類をはじめとする、砂糖や炭水化物を比較的好んで食べることが知られています。
-タンパク質を豊富に摂取する
多くのタンパク質を食べている人は、炎症と酸化ストレスが低い傾向にあります。
-定期的で持続的な運動
-瞑想やヨガ
-睡眠
炎症はうつ病のリスクを高めることがわかっていますが、日常生活を少し変えるだけで、うつ病の予防につながることもあります。
暗いニュースの多い昨今や、新しい環境において、憂鬱な気分になることがあるかもしれません、
そのようなときは、上記を思い出していただき、少しでもお役立ていただけますと幸いです。
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引用文献:
The study evaluating the effect of probiotic supplementation on the mental status, inflammation, and intestinal barrier in major depressive disorder patients using gluten-free diet
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