婦人科系疾患におけるおすすめの食品栄養素
食事と栄養は、健康を維持する上とても重要な要素ですが、女性の健康においてももちろん同様です。
すべての健康状態には日頃の食べ物や食事の影響を多く受けていると考えられています。
遺伝子と栄養素の相互作用は、健康管理と病気の予防とは切っても切り離せない関係となっていることが報告されています。
栄養は、いくつかのメカニズムを通じて、遺伝子や疾患に対する影響を変化させることができるためです。
婦人科疾患と栄養にはどのような関連があるのでしょうか?
特に重要な疾患を予防もしくは緩和する上で期待されている天然の栄養成分についてもお知らせします。
婦人科疾患とは
婦人科疾患とは一般に、女性の生殖器系が関与する疾患のことを指します。
良性および悪性の腫瘍、感染症、および内分泌疾患を含む疾患が含まれます。
子宮筋腫や子宮内膜症などの良性疾患は一般的であり、女性の生活の質に大きく影響を及ぼします。
さらに、悪性腫瘍は近年の最も一般的な死因の1つとなってもいます。
栄養素の欠乏が、多嚢胞性卵巣症候群、不妊症、子宮筋腫、子宮内膜症、月経困難症、各種感染症、ならびに子宮頸癌、子宮内膜癌、および卵巣癌などの婦人科疾患とどのように関連しているのか調査が進められています。
不妊症と栄養素
不妊症は、世界中の適齢とされるカップルの8~16%に影響を与えていると推定されています。
不妊症についても、生活スタイルや食生活が正常な生殖機能の重要な要素であること。が示されています。
中でも栄養面では、神経管欠損の予防として葉酸の摂取が推奨されています。
さらに葉酸の摂取により、不妊症の頻度は低くなることに関連していることも研究により示されているようです。
さらに、地中海式食事、脂肪、ビタミン、カフェイン、喫煙、アルコール、そしてプロバイオティクスなども、妊娠希望の女性に関連して、さらなる栄養成分または食事の種類などの研究が進められています。
子宮筋腫と栄養素
先ほどお伝えしたことと重複もしますが、地中海式食事、果物や野菜が豊富な食事、緑茶、ビタミンD、植物由来の天然化合物は、婦人科疾患に長期的なプラスの影響を与える可能性があることがわかっていますす。
また、水溶性フラボノイド色素であるアントシアニンを含む、ブルーベリー、ラズベリー、イチゴ、ウコンに豊富に見られるクルクミン、甘草に豊富に見られるイソリキリチゲニンなどが子宮筋腫の増殖を防止することを示しています。
また、汚染された空気、魚介類、葉物野菜に主に含まれているいくつかの重金属も、子宮筋腫のリスクの増加やほかの婦人科疾患と関連していることがわかっています。
月経困難症とビタミンD
ビタミンDは、月経困難症に見られる余分なプロスタグランジン産生を停止させることが示唆されています。
ある研究では、ビタミンDを服用している女性で重度の疼痛を報告した女性で最大の減少が見られました。
また別の研究では、50,000IUのビタミンDを8週間投与することで重症度が有意に低下することが分かりました。
このように、ビタミンDの摂取量が低いことが原発性月経困難症の重症度に反比例し、ビタミンDとカルシウムの摂取がその重症度を低下させる可能性があることが報告されています。
まとめ
健康的なライフスタイルとバランスの取れた食事は、一連の慢性疾患および衰弱性疾患を予防する上で最も重要な役割を果たします。
女性の健康においても日頃の食べ物や食事に含まれる栄養素の影響を受けているといえそうです。
日常的に、特に良いとされている食品栄養素を摂取してみることは、婦人科疾患へのリスクを減らすことにつながるかもしれません。
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引用文献:
Diet and Nutrition in Gynecological Disorders: A Focus on Clinical Studies
Nutrition in Gynecological Diseases: Current Perspectives