植物でストレスホルモンのコルチゾールを落ち着き?
ストレスがたまったと感じるとき、どのように対処していますか?
ストレスホルモンとして有名なコルチゾールは、体内で危険が発生したときに私たちの体に知らせるための警報のような働きをしてくれます。
ストレスを感じ、身体が危機を感じ取ると、コルチゾールが働き始めます。
それにより、血圧や血糖値の上昇、循環や代謝の悪化などが起こります。
そして、消化、睡眠などの日常生活から始まり様々な不調をきたす場合があります。
長期間ストレスを受け続けることにより、血圧や心拍数、血糖値がは上昇し続け、循環、代謝は悪化し続けます。
このため、慢性的なストレスによるコルチゾールの機能障害は、頭痛、心臓病、記憶障害、消化器系障害、不眠、体重増加などにつながる可能性があります。
このようなコルチゾール機能障害に対処するために、植物の力であるアダプトゲンの力が役立ちそうです。
アダプトゲンとは、トラウマ、不安、肉体的疲労などのストレスへの抵抗能力を高める働きのある天然のハーブです。
ストレスホルモンコルチゾールを落ち着かせるためにおすすめの天然のハーブをご紹介します。
アシュワガンダ
アシュワガンダと呼ばれるウィザニア・ソムニフェラの根は、紀元前6000年の昔からアーユルヴェーダ医学での使用の歴史を持っています。
アシュワガンダは、重要なアーユルヴェーダハーブの1つとされており、古代の文書には「システムを若返らせる」、「寿命を改善する」という表記があるほどです。
現在では、アシュワガンダは、適応性、抗ストレス特性を有する神経強壮剤として知られています。
これらの作用は、ステロイド特性を持つハーブの根のウィサノリドによるものです。
ウィサノリドは、高麗人参由来のジンセノシドと構造的に類似しているとされています。
さらに、アシュワガンダの根にはシトインドシドが含まれており、身体を酸化的損傷から保護し、抗ストレス活性を示すことが示されています。
アシュワガンダのコルチゾールに対する実験によると、アシュワガンダを8週間使用したところ、ストレス、および睡眠の質の改善が見られたそうです。
レモンバーム(メリッサオフィシナリス)
レモンバーム(メリッサオフィシナリス)は、イラン原産の植物で、イランの民間療法でよく使用されています。
古くから、その消化性、駆除性、鎮静剤、抗酸化特性、抗不安特性の面で伝統的に使用されてきました。
現代でも、その抗不安作用は評価されています。
ある研究によると、レモンバームがストレスの有害作用を緩和できることが示唆されています。
また、軽度から中等度の不安障害を持つ患者を対象とした別の研究では、レモンバーム600mgを15日間補給後に不安レベルが低下したことが判明しました。
さらに、レモンバームは認知と記憶を改善する点でも重要視されています。
マグノリア
マグノリアは最も古い樹種の1つで、モクレンの一種です。
中国の伝統的な漢方医学では、マグノリアの樹皮は抗不安薬、睡眠補助剤、気分安定剤、などにしばしば使用されます。
これらの効能は、マグノリアのコルチゾール調節効果によるものである可能性が高いとされています。
実験においても、マグノリアの摂取がコルチゾールレベルを18%減少させたという結果が出ています。
さらに同じ研究では、ストレスマーカーが11%、うつ病が20%、疲労が31%、怒りが42%減少したことが判明しました。
さらに、マグノリアの作用は、ストレスによる食事、またはコルチゾールに関する体重増加を抑える可能性があることもわかっています。
ジャーマンカモミール
カモミールは、ハーブとして広く使用されている薬草の1つです。
このハーブの利点は多く、胃腸のサポートから創傷治癒まで多岐にわたります。
カモミールは、お休み前に飲むハーブティーとしても知られるように気持ちを穏やかにさせる鎮静剤としてもよく知られています。
カモミールの抗不安薬と心を落ち着かせる効果が入眠にも役立つということが知られています。
臨床試験では、カモミール療法は不安の症状を軽減することが示されています。
中等度から重度の全般性不安障害(GAD)を有する個人を対象とした比較試験では、カモミール群が8週間の研究の2週目までにGAD症状の臨床的に有意な減少が観察されました。
さらに研究を進めると、カモミール療法後の再発率には優位な特性があり、平均再発時間が長いことが報告されています。
つまり、カモミール療法は不安障害に持続的な効果をもたらす可能性があることが示唆されています。
まとめ
植物ハーブのアダプトゲンは、不安を軽減したり、コルチゾールを調節したり、精神的なスタミナを改善したり、疲労と闘うことによってストレス保護効果を提供します。
マグノリア、アシュワガンダ、レモンバーム、カモミールなどの伝統的な天然ハーブやエキスは、コルチゾール機能不全の場合に貴重な植物アダプトゲンといえます。
これらのハーブは、相乗的に使用することで、過剰なストレスおよびコルチゾール機能障害に、より適応することができる可能性があります。
ハーブは、薬と違って重要な副作用があることは一般的には少ないとされています。
ストレスを感じた時には、専門家に相談をしながら、植物の力を借りることも選択してみることもおすすめといえそうです。
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引用文献: