腸管漏れのリーキーガット症候群は肝疾患のもととなる?
すべての体調は腸からとも言われるように、腸と肝臓疾患にも大きな関わり合いがあるようです。
現在では、胆管性肝疾患、アルコール性/非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、脂肪性肝炎(NASH)、さらには肝細胞癌(肝臓癌)などのほとんどの肝疾患の根本的な原因は腸にあるという見方もされています。
近年増えていると言われる腸漏れや腸管漏れの言葉で知られているリーキーガット症候群もそれらと関連が報告されています。
具体的に、腸が肝臓にどのような影響を与えるかを詳しく見てみましょう。
Contents
腸から肝臓へ流れる血液
肝臓は、肝動脈と門脈の2か所から血液の供給を受けます。
肝動脈は、肝臓に酸素が豊富な血液を届けます。
一方、肝臓の血液供給のうちの70%を担う門脈には、脾臓と胃腸管から排出された脱酸素血液を送出する役割があります。
この脱酸素血液には、栄養素だけでなく、細菌や毒素、腸代謝産物も豊富に含んでいます。
このように、肝臓は栄養分を受け取るだけでなく、不要物も受け取ることとなります。
つまり肝臓は、腸壁を越えた可能性のある有害な病原体やその他の毒素などから身体を保護する役割も担っています。
そしてそれらの老廃物は、時間とともに肝臓に蓄積されていきます。
腸管漏れとは
上記のとおり、腸管漏れは、肝臓に有害な影響を持ちますが、そもそも腸管漏れとはどのような症状だったか再確認してみましょう。
腸管漏れは、リーキーガットとも呼ばれ、腸の壁を不要物が通過して血液中に放たれてしまう状態を指します。
腸管は、有害な病原体や毒素などが全身に侵入するのを防ぐ境界です。
腸管から漏れ出た不純物は、血液に乗って全身に循環されてしまうためです。
腸の透過性は、腸内炎症性疾患だけでなく、糖尿病、慢性腎機能障害、癌、心血管疾患を含む全身性疾患の様々な疾患において増加することが示されています。
漏れやすい腸の病因はまだ不明ですが、最近の研究では、腸内微生物叢が漏れやすい腸を引き起こす可能性があることが明らかになっています。
肝疾患と腸管漏れ
肝臓は、有用な栄養素であってもまたそうでない場合も、腸の内層を過ぎた後で遭遇する最初の器官です。
この側面から、腸管漏れは肝臓に非常に有益または有害な影響を持つと言えます。
腸管漏れは、多くの有害物質が腸壁の壁を通過することを可能にし、その結果、肝臓の微生物および毒素へのの暴露を増加させます。
この現象は「代謝性内毒素症」と呼ばれ、糖尿病を引き起こす炎症およびインスリン抵抗性を引き起こすことに関与していることがわかっています。
また代謝性内毒素症は、細胞の炎症および傷害を引き起こすことから肝臓の炎症を引き起こす可能性があります。
腸管漏れによる有害物質の腸壁の壁の通過は、肝炎症、様々な形態の肝疾患、さらには肝臓癌とつながっていく可能性があります。
まとめ
腸管漏れによる有害物質の腸壁の壁の通過は、肝臓だけではなく全身の健康に影響を与えます。
私たちは、リーキーガット(腸管漏れ)を予防し、治癒する必要があります。
そのためには、より良いマイクロバイオームを構築するための食事方法や生活習慣がおすすめといえます。
それらの健康法を組み込み、またアレルギー体質やアレルギー反応の原因ともいえる食品類を制限することもおすすめとなります。
グルテンフリーや場合によっては乳製品のたんぱく質であるカゼインフリーを実践することなどを心掛けることもおすすめされます。
グルテンフリーとは言わずと知れた、小麦製品を避ける食事方法で、現在では一般に広がりつつある食事法です。
最近ではグルテンフリーの商品でこのようなことが、肝臓病を予防するだけでなく全身の健康につながる可能性があります。
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引用文献:
Leaky Gut = Fatty Liver
Leaky Gut: Effect of Dietary Fiber and Fats on Microbiome and Intestinal Barrier