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ミトコンドリアと慢性疲労との関係

2022年02月18日

自然と健康ウェルネス

疲労は誰にでも起こり得るものですが、慢性的な疲れや重度の疲労は重大な疾患のもととなる可能性があります。

日常的に続く疲労は、原因が多岐にわたります。

栄養不足やストレス、不眠、身体の炎症、ホルモンの変化から生じている可能性がありますが、エネルギーの不足が原因とされる場合もあります。

それは、細胞内のミトコンドリアの働きとの大きな関わりがあります。

慢性疲労とミトコンドリアの関係を、必要栄養とともにご紹介します。

ミトコンドリアと慢性疲労の関連

慢性疲労症候群は、十分な睡眠や休息をとっても緩和されない長期的な原因不明の重度の疲労のことを言います。

この慢性疲労に対しての研究が行われました。

それによると、138人の慢性疲労患者の全員が、ミトコンドリア経路に測定可能な機能不全を持っていることが明らかになったそうです。

そしてその後の研究により、これらの患者はATP産生が不十分であることも示されました。

ATPとはアデノシン三リン酸の略称で、ヒトが生きていくためのすべてのエネルギーのもととなる物質です。

ATPは、細胞のミトコンドリアミトコンドリア内で生成されます。

このプロセスは、栄養不足、ストレス、またはその他の無数の問題によって妨げられる可能性があり、それによって疲労が発生する可能性があります。

このように、ミトコンドリアとATP生成、そして慢性疲労には大きなかかわりがあります。

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10(CoQ10)は、ミトコンドリアのすべての細胞に重要な機能を持っています。

ミトコンドリアをスムーズに動かし続けるためには、コエンザイムQ10が必要です。

コエンザイムQ10は抗酸化作用でも有名な成分ですが、その主な機能は、ATPの形成にほかなりません。

そのため、 CoQ10が欠乏すると、筋肉や脳、そして心臓のエネルギー生産をも損なうとされています。

CoQ10の欠乏は、毒素、食生活、酸化ストレス、老化プロセスの結果として起こる可能性があります。

アセチル-L-カルニチン

L-カルニチンもまたエネルギー生産に不可欠です。

L-カルニチンは、脂肪酸代謝に関与する内因性分子であり、アミノ酸を使用して人体内で生合成されます。

体内のカルニチンが不足すると、ミトコンドリアへの脂肪酸の輸送を損ない、それによってエネルギー生産を減少させてしまいます。

L-カルニチンは酸化ストレスを軽減するのに役立つため、現在では心不全、狭心症または体重減少のための治療法としても利用されています。

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)はミトコンドリア内で、ATPの生産のための電子を提供しています。

またCoQ10を体内でリサイクルする補酵素としても役立ち、CoQ10を活性化することにに役立ちます。

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドとCoQ10の量は、いずれも年齢とともに低下してしまいます。

ピリドキサール-5-リン酸

ピリドキサール-5リン酸(PLP)は、ビタミンB6の生理活性型であり、補酵素として機能します。

PLPは、筋肉の健康と修復のために特に重要です

2021年の研究では、ビタミンB6の高い摂取量は、椅子から上昇するより良い能力(筋力と虚弱の標準的なテスト)に関連していることがわかりました。

また、研究によるとビタミンB6はうつとも関連があり、ビタミンB6を多く摂取している女性は肯定的な気分を得やすくなる可能性があることがわかっています。

マグネシウム

マグネシウムは多くの機能を持つ必須ミネラルです。

特にミトコンドリア内では、ミトコンドリア膜を安定させてATP産生に関与する補酵素として機能します。

マグネシウムが不足すると、慢性疲労をはじめ、多発性硬化症、細菌およびウイルス感染、ほかの慢性疾患などを発症する可能性があります。

また、マグネシウム補充は、運動中の筋肉疲労を軽減することができます。

まとめ

研究の結果、コエンザイムQ10、L-カルニチン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、ピリドキサールリン酸、マグネシウムがミトコンドリア機能を改善し、疲労の軽減につながることを示唆しています。

睡眠や休息をとっても改善しない慢性疲労もしくは重度の疲労により、毎日の活動がスムーズにいかない方は、ミトコンドリアに注目し補酵素の力を最大限生かすことが健康への近道かもしれません。

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コエンザイムQ10

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引用文献:
ミトコンドリアコファクターは疲労を軽減できるか?
L-カルニチン-人間の生活における代謝機能と意味
ヒトコエンザイムQ10代謝の障害:概要
細胞および代謝シグナル伝達経路の調節におけるNADの役割

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