サウナ入浴の健康への影響とリスク
サウナ入浴は、老若男女に愛される入浴法で、80度程以上の高温の中でじっくり汗や老廃物を出すことにより心身ともにリフレッシュすることができることからも最近では世界中でサウナ入浴が流行しているようです。
サウナ入浴の健康への影響やメリットと注意点をまとめてみました。
サウナ入浴のメリット
サウナ入浴は、子供から大人まで、また男女ともにとって安全に利用できる温浴システムです。
研究によると、妊娠中でも安全に利用できると報告されています。
サウナ入浴は様々な急性、一過性の心血管およびホルモンの良好な変化を引き起こすとされています。
また、いくつかの研究によると、長期的なサウナ入浴は以下のような症状の改善に役立つ可能性があることがわかっています。
-肌荒れ、乾癬
(サウナ入浴は皮膚の乾燥を引き起こすことはないため、乾癬患者にも利益をもたらすこともあります。)
-うつ、リラクゼーション効果
-高血圧患者の血圧を下げる
-喘息および慢性気管支炎
(サウナで起こる肺機能の一過性の改善は、喘息および慢性気管支炎の患者にも役立つかもしれないことがわかっています。)
-リウマチ性疾患
痛みを軽減し、患者の関節移動性を向上させる可能性があります。
(サウナ入浴は、安定狭心症や古い心筋梗塞を伴う冠状動脈性心疾患を持つほとんどの人にとって安全です。)
サウナ入浴のリスク
サウナは比較的安全な温浴方法で、急性心筋梗塞や突然死が発生することはほとんどないことが報告されているようです。
同時に、サウナ入浴中のアルコール摂取は低血圧、不整脈、突然死のリスクを高め、避けるべきといわれます。
また、不安定な狭心症、心筋梗塞、重度の大動脈狭窄などの患者は、サウナ入浴を控えることもおすすめされています。
またアトピー性皮膚炎患者のかゆみを増加させる可能性があるため注意が必要といえそうです。
心血管機能に及ぼすサウナ入浴の急性効果
上記のとおり、サウナのメリットは多岐にわたりますが、中でも注目が集まっているのは心血管機能におよぼす効果です。
研究によると、30分間のサウナ入浴が動脈のこわばり、およびいくつかの血液ベースのバイオマーカーに有益な効果を有することがわかっています。
これにより、サウナ入浴は心血管系に有益な効果をもたらすことが示唆されています。
サウナ入浴と認知症
研究によるとサウナ入浴のような温浴法は、認知症の発症にも有益な影響を与えることを示唆しています。
この研究はサウナ入浴時の熱暴露(サウナ入浴の頻度、熱セッションの頻度、暑さの滞在期間、サウナ温度)と認知症のその後のリスクとの関連を検討したものです。
これは、サウナ入浴が認知症に対する保護を提供するという仮説に沿ったものですが、それによるとサウナ入浴の頻度が高いほど、認知症の潜在的な社会人口統計学的、ライフスタイル、および代謝リスク因子の調整後の認知症のリスクの減少と関連していることがわかっています。
ただしサウナ入浴のン認知症への利点を確認するには、さらなる研究が必要と言えます。
まとめ
大変流行中のサウナ入浴には、心血管およびホルモンの変化、肌荒れやリラクゼーションのほかにも、慢性気管支炎、喘息、リウマチ性疾患、認知症に至るまで効果が期待できることがわかりました。
サウナは危険の少ない温浴方法ではありますが、サウナ入浴中のアルコール摂取、安定な狭心症、心筋梗塞、重度の大動脈狭窄、アトピー性皮膚炎の方は注意が必要です。
また近年では新型コロナウイルス流行の観点から、サウナ入浴の是非が問われています。
そのため、個室サウナや込み合っている時間帯を避けるなどの工夫を各自で行うことをおすすめします。
海外の研究によると、一般的に中高齢の頻繁なサウナ浴は、炎症による肺炎のリスクを減少させたとの報告がありますので、今後はそのような観点から見ても、益々サウナの人気は高まっていくかもしれません。
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引用文献:
サウナ入浴のメリットとリスク
心血管機能に及ぼすサウナ入浴の急性効果
炎症と酸化ストレスを伴うサウナ入浴の関連
サウナ入浴は認知症から保護されるか?
頻繁なサウナ浴による炎症による肺炎の減少リスク