甲状腺機能低下症とグルテンフリー
グルテンフリーは、現在人気のある健康的な食事法ですが、もともとは甲状腺の病気の治療方法の一環でした。
グルテンフリーは、体調やお肌の調子を整えたり、ダイエットにつながったりすることから、アレルギーに悩まされている方だけでなく美容や健康に関心の高い方にも注目されている食事法の一つです。
小麦粉などに含まれるグルテンは、アレルギーやリーキーガット(腸管漏れ)など健康への悪影響取りざたされていることからパンやパスタなどの小麦粉を使用した食品を摂取しない、グルテンフリーの食生活を選ぶ方が増えてきています。
ですが小麦粉などのグルテンを含む食品をもっとも避けるべきなのは、甲状腺の疾患を持った方です。
グルテンの含まれる食品を食べることが甲状腺の自己免疫破壊を促進する可能性があることがわかっているためです。
甲状腺の疾患とグルテンフリーとの関係を再度確認してみたいと思います。
Contents
甲状腺機能低下症とは
甲状腺とは、喉の前面にある蝶が羽を広げたような形の器官です。
甲状腺からは、全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きをもつ、甲状腺ホルモンが分泌されます。
近年、甲状腺の機能が低下する人が増えています。
甲状腺機能が低下すると、甲状腺機能低下症として次のような症状を引き起こす可能性があります。
-疲労
-物忘れ
-体重増加
-便秘
-乾燥肌
-傷の治癒不良
-寒さを感じやすい
-脱毛
-鬱病
-運動後の関節痛と回復不良
-物忘れ
-婦人科的疾患
-神経の疾患
-高コレステロール値
-脂肪肝疾患
甲状腺自体が腫れ始めると、甲状腺機能低下症は喉の痛み、首の前部に押し付ける何かの感覚、かすれた声、あるいは甲状腺腫(首の目に見える腫れ)を引き起こす可能性があります。
甲状腺ホルモンの分泌が不足する状態が甲状腺機能低下症ですが、この原因として代表的なものに慢性甲状腺炎(橋本病)があります。
橋本病とグルテンフリー
先進国における甲状腺機能低下症の最も一般的な原因は橋本病です。
橋本病は、自らの甲状腺を攻撃して破壊する抗体を作る、最も一般的な自己免疫疾患の一つです。
橋本の治療方法としては、甲状腺ホルモンを薬により補います。
しかし、根本的な治療を目的として、免疫システムのバランスをとり、自己免疫を引き起こすものを避けることを目指すべきです。
そのための1つの方法として、グルテンフリーの食事法が選ばれています。
グルテンは異なるタンパク質で構成されており、グリアジンとグルテニンは自己免疫疾患を持つ人々にとって最も有害とされています。
グリアジンは腸の内層を破り、腸管漏れの状態を作ります。
これがリーキーガットです。
橋本病の人がリーキーガットになると、腸の内層を傷つけ、炎症を起こし、甲状腺に損傷を与える抗体を作り出すことによって、体が反応する悪循環となります。
そして、グルテンによる甲状腺への攻撃は6ヶ月も続くとも言われています。
リーキーガットはまた、潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック病、食物アレルギー、過敏性腸症候群、心血管疾患などの状態に関与する免疫反応および炎症を引き起こす原因となります。
まとめ
甲状腺の自己免疫疾患である橋本病の原因の一つにリーキーガットが挙げられます。
リーキーガットを避けるためには、グルテンフリーの食生活はとても大切な要素となります。
パスタ、ピザ、パン、ケーキなど、魅力的な食事にはグルテンが含まれていることが多いです。
グルテンフリーの大敵は、食欲との闘いと言っても過言ではないかもしれません。
実際に食事療法による効果もすぐに出る訳ではなく、数週間から数か月もの時間が必要なこともあります。
ですが、最近はグルテンフリーの食事でも美味しいものが増えてきています。
たとえば米粉でできたパン、豆類でできたパスタなどもあります。
グルテンフリーを楽しみながら無理なく行って、健康を手に入れたいですね。
参考文献
https://bit.ly/3W4mmAS
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