アルコール依存症からの脱却にはビタミンB群?
昔から一定数存在する依存症の1つにアルコール依存症があります。
そのアルコール依存症にはどのような特徴が報告されているのでしょうか?
また、アルコールに依存してしまいがちな方にお勧めの栄養素もお伝えしたいと思います。
ご本人、もしくはご家族がアルコール依存症かもしれないとご心配の方は、ぜひご一読ください。
・アルコール依存症の定義
アルコール依存症とは、飲酒を自分ではコントロールできなくなり、自分の意思とは関係なく飲酒を繰り返してしまう精神障害の一種と報告されています。
精神疾患の中でも、誰でもかかる可能性があり現在も多くの方が悩まされている病気であると言えます。
WHOの算出方法により割り出されたデータによると、日本人の飲酒人口のうちアルコール依存症の患者は230万人程度もいるとも言われているそうです。
具体的には、次のような症状が挙げられます。
-起きている間、常にアルコールに対する強い渇望感を持ってしまう。
-飲みすぎてはいけないと思っても、自分の意志で飲酒を制御することができない。
-飲酒により様々なトラブルを起こしてしまう。
-トラブルの精神的苦痛を和らげようとさらに飲酒を繰り返す。
-禁断症状(アルコール離脱症候群)が出る。
-うつ病などの症状が出る場合もある。
・アルコール依存と不安
アルコール依存症の患者は、一般的に大きな不安感を持っている場合が多いようです。
うつ病、不眠症などと同時に発症する場合もあります。
他にもアルコール依存症と併存する不安障害には、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害、一般化不安障害、心的外傷後ストレス障害などがあります。
それぞれに対する精神療法および薬物療法の対策が取られます。
不安障害とアルコール依存症との間の様々な可能な相互関係は常に研究の対象となっています。
・アルコール離脱症候群とビタミンB群
アルコールに身体的に依存している人が飲酒を止めると、今度はアルコール離脱症候群が起きてしまう場合があるようです。
アルコール離脱症候群では、不安、興奮、振戦、過度の発汗、意識の変化、幻覚などの症状に悩まされることが報告されています。
周りに応援者がいる場合や、効果的なコミュニケーションは、重度の離脱症候群になるリスクを低減するようです。
一般的に定期的にアルコールを飲む人は飲まない人よりも栄養価が弱く、中でも脳の健康に対してビタミンB群は欠かせない栄養素となっています。
中でも効果的な栄養素は、ビタミンB1(チアミン)とビタミンB3(ナイアシン)です。
アルコール離脱症候群ではビタミンB1やB3の欠乏症が頻繁に起こり、アルコール依存患者の重篤な合併症を引き起こす可能性があるようです。
ビタミンB3が欠乏することにより起こりうる症状には、下痢、皮膚炎、せん妄が含まれます。
・まとめ
飲酒は時に楽しい物ですが、自分では飲酒行動をコントロールできなくなるアルコール依存症は、うつ病などの精神的な疾患にもつながる怖い症状です。
また、飲酒は寿命を短くしてしまう行動の一つとも言われています。
自ら、もしくはご家族がアルコールに依存していないかは、いつも確認しておくことも大切です。
また、アルコール依存症から安全に脱却する時のヒントは、栄養素にあることもわかりました。
ビタミンB群を効果的に摂取して、安全に飲酒を楽しむこともお試しいただきたいことの一つです。
ビタミンB1やB3を含む食材は、酵母、豚肉、そば、牛乳、たらこ、緑黄色野菜、いワシ、カツオ、サバ、豆類、ささみなどです。
ぜひ意識してみていただきたいと思います。
引用文献:
https://en.wikipedia.org/wiki/Alcoholism
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7844104/