牛乳の豊富な栄養と健康への留意点
牛乳は、カルシウム、タンパク質、ビタミンDなど、多くの栄養素が含まれるため学校給食をはじめ毎日の食卓に欠かせない飲料となっている人もいらっしゃるかもしれません。
牛乳の栄養は豊富であることから、本当かどうかは別としても、牛乳を飲むと頭が良くなる、または背が伸びる、などの話しを聞くこともあるのではないでしょうか。
ただし、一部の人にとっては必ずしも有益なことばかりではない飲み物となっています。
牛乳が持つ健康についての利点と、健康への懸念点からのデメリットやリスクを改めて確認してみたいと思います。
〇牛乳が持つ健康についての利点:
・牛乳に含まれる栄養
-カルシウム
-ビタミンD
-リン
-カリウム
カルシウムは体内で次のような多くの機能を持っていることが報告されています。
-健康的な骨や歯の発達と維持
-血液凝固と傷などの治癒を助ける
-正常な血圧を維持する
-心拍を含む筋肉収縮の制御
ビタミンDとカルシウムは、相互作用があり、骨の健康のために役立ちます。
牛乳は骨粗鬆症の予防に役立つという理由はここにあります。
また、ビタミンDを適切に摂取することによりメンタル、食欲、睡眠に関連するホルモンであるセロトニンの生成をサポートします。
これにより、不眠症、脳の健康、うつ病などの心の健康にも牛乳は役立ちます。
また、牛乳を飲むことでカリウムを摂取し、ナトリウムが減ることにより、心血管疾患のリスクを減らすことに役立ちます。
このように、牛乳には大きな健康効果があることがわかります。
〇牛乳の健康への懸念点からのデメリットやリスクと考えられそうな例:
乳製品のミルクに含まれるホルモンが人間に悪影響を与える可能性があるということで研究が進められています。
中でも牛乳に含まれる、エストロゲンや成長ホルモンなどの乳製品のホルモンによる影響が懸念されています。
また、報告によるとミルクの摂取量が多いと卵巣がんのリスクが高まる可能性があることも示唆されています。
これらは研究段階ではあるものの、非常に気になる内容かと思います。
また、それらとは別に牛乳を飲めない人も存在します。
それが、牛乳アレルギーと乳糖不耐症です。
・牛乳アレルギー
牛乳アレルギーの人が牛乳を飲むと、異常な免疫反応が起こります。
嘔吐、下痢、じんましんにはじまり、アナフィラキシーショックが起こる可能性もあります。
・乳糖不耐症
乳糖不耐症の人は、ラクターゼと呼ばれる酵素を十分に生成できない場合があります。
これにより、牛乳の消化が困難になる可能性があります。
そのため、乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと、下痢を引き起こす可能性があります。
・カゼインへの反応
カゼインは牛乳に含まれるタンパク質です。
カゼインに敏感な人がミルクを摂取すると、消化器系や全身の炎症を引き起こす可能性があります。
・前立腺癌やへのリスク
報告の中にはカルシウムを多く含む食事は前立腺癌の原因となる可能性が高く、牛乳や乳製品を大量摂取することにより前立腺癌のリスクを高めることも示唆されています。
また牛乳を含む一部の乳製品は脂肪含有量が高く、乳がんのリスクを高める可能性があることも研究されています。
まとめ
牛乳にはビタミンD、カルシウム、カリウムなど栄養が豊富であることから、骨などを強くしたり、メンタルヘルスや心疾患にも良い影響を与えることが期待されていることがわかりました。
ただし一部の方には健康への懸念点からのデメリットやリスクが伴うことも考えれるため、体調に不調がある場合の摂取は注意を払うことがおすすめと言えそうです。
また、一括りに牛乳と言っても、産地や鮮度、加工方法などによっても品質は異なるということも理解することがおすすめです。
牛乳以外にも、豆乳やアーモンドミルクなどにも別の栄養がたくさん入っています。
最近はいろいろなミルクが簡単に手に入りますので、様子を見ながら飲み比べるのも良いかもしれません。
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乳糖不耐症と牛乳アレルギーの違い
参照記事:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30896640/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24029787/
https://www.medicalnewstoday.com/articles/296564#health_benefits
2022年9月1日更新