緑茶とカテキンがもつ健康効果いろいろ
緑茶は、現在世界中で人気の高まっているお茶の一種で、私たち日本人にとって最もなじみのある飲料ということで知られています。
実際に、温かいお茶を飲むと、ほっと安心する気持ちになることがあります。
緑茶は体に良いと言われますが、どのような健康効果があるのでしょうか?
1.感染症の予防と治療
最近の研究により、緑茶には感染性の病原体を根絶する能力と実際に感染を防ぐ能力があることがわかっています。
抗菌性を示す緑茶の重要な成分は、カテキンです。
カテキンは、主にお茶に含まれるポリフェノールの一種です。
緑茶に含まれる主要なカテキンは、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4つです。
これらのカテキンは、さまざまな抗菌特性を示すことがわかっています。
緑茶を摂取することにより、抗菌成分を全身に分布させることが可能ということもわかっています。
これにより、感染症の治療だけでなく、感染症の予防も可能になることが期待されています。
2.抗酸化作用と抗がん作用
緑茶のカテキンは、抗癌作用と抗炎症作用でも広く知られています。
カテキンは強力な抗酸化物質であり、研究により、これが癌細胞の増殖を阻害する可能性があることが示されています。
カテキンは、活性酸素種を中和するという強い特性を示します。
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、活性化された活性酸素に変化すると考えられています。
活性酸素は、体内の代謝過程で様々な成分と反応し活動していますが、紫外線や放射線、化学物質などにさらされることで酸素の一部は、活性酸素(フリーラジカル)となり、細胞傷害をもたらします。
このようにバランスの崩れた状態を酸化ストレスといいます。
酸化ストレスは、ガンをはじめとする様々な病気の原因となります。
カテキン成分は、このような活性酸素を中和して無害にする力が備わっているため、抗炎症、抗ガン作用を持つとされています。
3.リラックス効果やダイエット効果
お茶の摂取により、リラックス効果やダイエット効果も得られることがわかっています。
お茶には特有の非タンパク質アミノ酸であるテアニンアミノ酸が含まれており、このL-テアニンの健康への影響も近年注目を集めています。
お茶に含まれるL-テアニンは、特にリラックス、認知能力、感情の状態、睡眠の質、ガン、心血管疾患、肥満、風邪に良い影響を与えることが知られています。
L-テアニンは、食事と一緒に過剰に摂取されたとしても、影響はなく安心して摂取できることがわかっています。
まとめ
緑茶には感染症の予防、抗酸化作用や抗がん作用、リラックス効果やダイエット効果、認知能力への効果など、想像以上にいろいろな効果があることが分かりました。
緑茶は、日本人にはなじみ深いお茶であることは間違いありませんが、最近は様々な飲料水が普及している影響もあるのか、実際の消費量は減ってきているようです。
また、ペットボトルの普及で、自身でお茶を淹れて飲むということも減ってきているのかもしれません。
昔ながらの淹れ方で丁寧にお茶を淹れてゆっくり飲む習慣を持つことで、気持に余裕も生まれますし、より健康に近づけそうですね。
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