乾癬(かんせん)や皮膚の悩みには腸のマイクロバイオームを調整?
内臓の疾患ではなく皮膚病の一種と見なされやすい症状の1つに乾癬があります。
乾癬は皮膚そのものよりも腸内の菌の影響を受けていることが報告されています。
特に腸内に生息する菌の集合体はマイクロバイオームと呼ばれます。
身体の至るところにマイクロバイオームは存在するものの、腸内が最も多いと伝えられています。
・乾癬について
乾癬とは、皮膚の病気の一種で体にかゆみを伴う発疹が広がります。
角質の生まれ変わりが早く、通常の最大10倍の速さで皮膚細胞増殖するため、角質が次々に剥がれ落ちる独特の症状を持っています。
その見た目やかゆみ、剥がれ落ちる角質のおかげで日常生活に支障をきたす場合も多いとされています。
日本人でも悩まされている方が一定数いる病気ですが、最近の研究によると、乾癬の悪化が心血管疾患、2型糖尿病、乾癬性関節炎、さらにはうつ病にまでつながる場合もあることが分かっています。
・乾癬の治療と腸の関係
乾癬の治療には、通常は保湿剤やステロイド剤、ビタミンなどの内服薬が取り入れられることが多いようです。
ですが、実はその根本的な原因は腸との関わり合いが大きいということが分かっています。
乾癬は、腸疾患の一種であるとのことも言われています。
カリフォルニア大学の皮膚科教授であるヘインズ・エリー医学博士によると、乾癬は、腸の状態によって引き起こされる全身性の病気だということです。
また、テネシー大学の問題乾癬クリニックのグループは、乾癬の原因として内毒素血症との関連性を熱心に研究していました。
内毒素血症は、細菌抗原が腸から血流に漏れるときに発生します。
乾癬は腸の透過性を高めてしまうことがわかっています。
・乾癬の人にお勧めの食事
腸内の健康的なバランスを回復するため、乾癬を持つ方は食事に気を配ることも有効とされています。
強いスパイスや辛い食べ物、アルコールを控えることがおすすめされているようです。
また、腸の炎症や漏出である腸漏れやリーキーガットにつながる傾向のある食品を避けることも大切になってきます。
たとえば小麦粉を使用したパンや麵、パスタなどもリーキーガットにつながります。
腸内細菌叢(マイクロバイオーム)を健康に向かわせるためには、上記の食べ物を避けた上で、ヨーグルトやオリゴ糖などのプロバイオティクスや野菜や果物などの食物繊維を豊富に含む食事が重要となります。
まとめ
乾癬は、一見皮膚の疾患のように見えますが実はその原因は腸にあり、腸内環境を整えることがとても大切であることが分かりました。
そしてこれは、何も乾癬だけの対策ではありません。
腸が全身の健康を司ると言われています。
ニキビやアトピー性皮膚炎などの乾癬以外の皮膚疾患やお肌の悩みがある方も、まずは食事に気を配ってみることで変化を実感できるかもしれません。
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