全身性エリテマトーデス又はループスの原因と対応のおすすめ
ループス(Lupus)は狼瘡でも知られます。
日本では全身性エリテマトーデス(SLE)と呼ばれる難病として指定されています。
原因と対応のおすすめ報告からヒントを探ります。
狼瘡(ループス:Lupus)の意味から考える:
狼瘡(ろうそう)でも知られるループスの語源は、ラテン語で狼(オオカミ)の意味です。
まるで狼に噛まれた感じの皮膚症状から、狼瘡またはループスと名付けられたのだそうです。
全身性エリテマトーデスはSystemic Lupus Eryhtematosusが正しい英語での病名で、その頭文字であるSLEの呼び名もあります。
全身のあやゆる部位に狼の噛んだあとが発生しうることからも全身という意味のSystemicという単語が含まれているようです。
症状は皮膚の表面だけとは限らず、臓器に炎症が発生する症状でも知られます。
全身性エリテマトーデス(SLE)の症状では、けんたい感、食欲不振、消化不良、発熱、皮膚に湿疹、関節炎、臓器の働きの低下などの症状が確認されています。
日本での全身性エリテマトーデス(SLE):
日本でSLEとして診断された数は難病情報センター報告では6~10万人ではあるものの、実際はその2倍程度はいる様子とのことです。
また、全身性エリテマトーデスと診断される男女の比率では、9:1で女性が圧倒的に多いようです。
不思議なことに多くの女性の共通点として、女性の生理がある年齢層に集中していることも報告されています。
日本では難病に指定されていますが、何か特別な原因や環境と病気の発症との決定的なつながりはまだ見つかっていないとのことです。
海外の専門家からのヒント:
アメリカでループスと診断される人の数は日本以上に多く、活発な研究や議論があるように思います。
ループスと他の症状や病気とのつながりなどの発表の場も多く、今回はループスと自己免疫疾患について開催されたサミットからヒントを探ります。
ループスの原因報告から:
SLE又はループスに共通した症状の1つとして、アレルギー反応も含まれるとの報告があります。
原因には、小麦に含まれるたんぱく質のグルテン反応、牛乳など乳製品たんぱく質のカゼイン、卵や大豆など一般的にアレルギー体質に含まれる食品にアレルギー反応が出ることも多いようです。
食品以外では、過度または長期的なストレスなども報告されているものの直接的というよりは、原因の1つと言えるのかと思います。
ループスと診断される人の多くは、炎症が原因の関節炎の症状を伴うことも少なくないようです。
専門家会議の中で、ループスの症状が表面化するまでにも順序というかステージがあるようです。
最初は沈黙の状態が続き、次に抗体が出来、最後に炎症や細胞への攻撃が始まることで、関節炎や甲状腺、副腎、肝臓や腎臓などの臓器機能低下につながったり、神経異変が発生しているとの見方です。
全身性エリテマトーデス対応のおすすめ:
そのような症状や状況が発生していると、まずは病院を受診するとは思いますが、それ以外の食事や生活習慣でおすすめの報告があります。
例えば、ストレスは炎症を加速させやすく、アレルギー反応なども出やすいことからも、リスク軽減としてストレスを何とか減らすことがおすすめされます。
ストレスと一言で言っても様々で、精神的な部分以外にも寝不足や運動不足に運動過多、トラウマ、食品アレルギー反応なども身体にとってのストレスと言え、それらを総合的に見直すことがおすすめとされています。
またリラックスしやすいストレッチやヨガ、温浴、瞑想、歩くなどの体を無理なく動かすこともおすすめの方法とされています。
食事の時は、例えば同じ食品ばかり食べるよりも、色や形状が異なったり、季節の食べものを選ぶこともおすすめされています。
アレルギー反応が出やすい状況下でわかりにくい場合は、アレルギー反応が出る可能性がある食品を1つずつでも3週間程度止めてみることで様子をうかがうのもおすすめです。
その他にも化学物質や遺伝子組み換え食品にも留意することもおすすめされています。
腸内環境を整えるためにも多様な菌類があるようにし、プロバイオティクスや乳酸菌の餌となるプレバイオティクスなど和食にも多い発酵食品(アレルギー反応しない場合)や土壌の菌を体内になじませ殺菌しすぎないことなど日常生活でできることは沢山ありそうです。
参考にした情報:
ループスと自己免疫サミット(米国開催)2019年10月22日
デービス・カラジアン博士へのインタビュー
難病情報センター 全身性エリテマトーデス(SLE)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/53
PMID:26794085
PMID:15767026
PMID:29536981