妊娠中の妊婦や授乳中は魚介類食品を含む食事がおすすめか
妊娠中の妊婦、赤ちゃんや小さい子供に母乳で育てる授乳中の女性と母乳を受ける子供たちはに魚介類を含む食べ物や食事はおすすめといえるのでしょうか?ヒントを考えます。
妊婦や授乳中の女性と魚介類食品を含む食べ物の制限?:
日本でも妊娠を考える女性や実際に妊娠中の妊婦を診る産婦人科の中には、妊娠中や授乳中の魚介類食品を含む食べ物や食事を制限することをおすすめするところもあるようです。
その理由として、魚に含まれる重金属や環境汚染物質が子供に影響を与える原因となるということのようです。
アメリカでは少なくとも、同様の意見が何年も前から根付いていますし、実際に大きな魚を含む食べ物や食事は制限があったり、一週間の間に魚介類を食べて良い回数や量をおすすめするところもあるようです。
私の知人でアーユルヴェーダの先生がいるのですが、その先生は海の底にいる魚介類については、制限をおすすめすることもあるとのことでした。
では、魚介類に含まれる大切な栄養素であるオメガ3脂肪酸が不足したり、欠乏したりする原因になったり、その影響について、どう考えられているのでしょうか?
妊娠中の妊婦や産後で授乳中に気分の落ち込み?:
女性で妊娠や授乳を経験した方の中には、妊婦の時、あるいは産後の授乳期に気分の落ち込みやうつ症状を経験した女性もいるかもしれません。
それは、決して女性の責任では無いようです。
妊娠や授乳の年齢、栄養状態、あるいは収入や貧困率、人種によっても影響を受けていることが考えられているものの、世界的に妊婦時や産後の授乳期に気分の落ち込みやうつ症状を経験している人が少なくという国民健康栄養調査についての報告もあります。
他の研究でも、多くの女性が妊娠中や出産後の授乳期間中に気分の落ち込みやうつ症状になりやすいという報告があります。
結果の中には感情や神経に大きな影響を与えている脳は油でできており、思わしくない症状が出やすい脳内の調べでは、魚介類や植物の一部に含まれるオメガ3脂肪酸の量が少ない場合に、それらの症状が出やすいと報じています。
近年の多くの食事にはオメガ6の油は十分以上に含まれ、人工的な油も多いものの、魚などに含まれる健康的なオメガ3脂肪酸が不足や欠乏しがちな状態になりやすく、それが原因になっていることも少なくないということを伝えています。
うつ病のように気分の落ち込みが激しい場合、脳の中には炎症が発生していることも伝えれられています。
炎症を誘発するサイトカインの上昇や、ホルモンのセロトニンなど神経伝達の影響を受けることが原因とのことですが、それらは脳内の油の質にもよるともいわれるため、オメガ3脂肪酸の役割は大きいといえそうです。
妊娠中の妊婦や授乳中の女性のホルモンバランス?:
妊婦や授乳期間中の女性は、ホルモンのバランスにも変化が起きやすいと考えられるかもしれません。
ラットを用いた動物実験では、妊娠中においてのホルモンバランスの変化の影響で、オメガ3脂肪酸のDHAがスムーズに妊婦の体内で合成されるような働きが確認できているという報告があります。
また、妊娠中の妊婦や授乳中の女性と、その赤ちゃんや小さい子供たちとのつながりが奇跡に思える報告もありますので、以下に紹介させてください。
妊娠中のラットによる動物実験では、その妊娠中の母体の中にオメガ3脂肪酸が十分にお腹の赤ちゃんに供給できない場合は、その妊娠中の母体の脳に蓄積されたオメガ3脂肪酸を赤ちゃんに与える仕組みになっているのだそうです。
つまりは、お腹の中にいる赤ちゃんや生まれてくる小さい子供の栄養の為に、場合によっては自らを犠牲にしてまでも自分の子供の成長に貢献するということになります。
私たちの文化や食事の習慣だけではなく、生活環境などにも大きな変化が出ています。
これからの日本を担う子供たちは日本の宝という言葉があります。
それ位にとても大切なことですので、また様々な観点からご紹介できるようにしたいです。
参考にした情報:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28245632
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29860183
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29127477
Burge GC, et al. Reprod Nutrition Dev. 45:581-597, 2005年
Levant B, et alBiol Psychiatry, 60:987-990, 2006年