認知症の予防段階にオメガ3がおすすめされた理由
認知症の予防は今や誰にとっても大切なことです。
年齢を重ねるに連れて認知症になる確率が上がることを考えると、予防も重要で、魚介類のオメガ3がおすすめされた理由も理解できそうです。
人生100年時代に:
長寿大国の日本では、人生が100年の時代といわれます。
健康な状態で過ごす年齢と寿命の差は依然として平均すると10年前後あり、いかに健康寿命を伸ばすかが人生を充実したり、楽しむために1つの焦点となります。
認知症に関連する数字や統計、予測を追うと、75歳以上で認知症の確率が大きく上がってくることが気になります。
75歳は後期高齢者といわれるものの、多くの75歳以上の皆さんは元気に活躍される方が多く、昔の75歳とのイメージの差を感じます。
健康で年齢を重ねるための食べ物や食事:
健康で年齢を重ねるためには、食べ物や飲み物、食事を無視して考えることは一般的ではありません。
世界と比較した場合にいただいた命を長寿で全うできてきた1つの理由は、食べ物や飲み物、食事にもあります。
伝統的に野菜や果物、魚類を食べ、お米をいただき、発酵食品なども多く、少食といわれてきた民族です。
ひと昔前までは、生の魚を口にする国は世界的にも珍しかったといえますが、その生の魚の中にこそ、私たちが長寿で来れた1つの理由が含まれているといえます。
それは、オメガ3脂肪酸という栄養素ですが、一般的にはDHAとかEPA、オメガ酸フィッシュオイルなどの名称でも知られています。
オメガ3脂肪酸は魚を食べ物や食事の中に取り入れてきた本来の日本人の体内には多く、そのおかげで血管も肌も若々しく保たれてきたともいえます。
近年の人工的な油に多い、オメガ6を含む食べ物や食事は以前は少なかったことも知られるところです。
そのようなこともあってか、勤勉だったり、高齢化しても頭も身体も強く、農作業や仕事、家事などをしても健康で続けられてきたのかと思います。
認知症の予防段階にオメガ3がおすすめ?:
アルツハイマー型認知症など以前は聞かなかった症状や病名を耳にする機会が増えてきました。
周りを見渡しても、気づけば予備軍も含めて近くにいない方が珍しい時代です。
認知症の予防や改善を調査したり、研究したりする報告の中に、いくつかの予防にふさわしい食べ物や食事に含まれる栄養素があります。
その1つに数えられ、おすすめされているのがオメガ3脂肪酸です。
実際にそのような調査報告を目にする機会も多いのですが、オメガ3をおすすめされる機会が多い理由の1つには、食べ物でも魚のようにオメガ3を含む食べ物や食事は安全かつ、長い歴史があり、継続するのも経済的な面においてもおすすめしやすいということがいえます。
また、私たちがイメージしやすいということもありますが、オメガ3やDHA、EPAなどの栄養素というと、何となく記憶や集中、血管など脳だけではなく、身体全体にも関係があって、良さそうな栄養素のイメージができるということもあるのかもしれません。
認知症に関連する調査報告から:
アルツハイマー型認知症に関連する調査報告がありますので下記に1つご紹介します。
アメリカの政府系機関でもあるフェデレーション・オブ・アメリカン・ソサエティーズ・フォー・エクスパーリメンタル・バイオロジーが紹介した報告によると、地裁治験ながらも、早期アルツハイマー型認知症に直面している場合や実際に認知症と診断された7名の患者さんも含まれる調査では、オメガ3が効果的だったというデータを示しています。
研究者の1人は日本も含む世界的に知られる認知症を改善できる数少ない大家ともいわれるDale E. Bredsen(日本語版書籍名は「アルツハイマー 真実と終焉」)
認知症でも早期発症時期というのが大切な点かもしれませんが、認知症に関係があるとされるアミロイド・ベータたんぱく質に感する数値の改善に加えて、神経細胞における炎症の軽減が人によって4~17カ月の期間で発見できたというものです。
認知症の場合も脳や体内の炎症は原因の1つとして考えられていることからも、その2つのデータは大切といえそうです。
ただし、治験に参加した人数はわずか12名の患者さんですので、更なる調査が待ち望まれるところです。
参考にした情報源:
The FASEB Journal(125,000名以上の専門家が集う会)
2015年7月号 29:2681-2689;doi:10.1096/fj.14-264218;
Omega-3 supplementation increases amyloid-β phagocytosis and resolvin D1 in patients with minor cognitive impairment.