ビタミンB12不足と1歳未満の乳児や赤ちゃんにおける神経系の症状
ビタミンB12の栄養素不足と聞くと、菜食主義のベジタリアンやヴィーガンが中心の食事で肉類の食べ物が少ないことが原因でビタミンB12が不足しやすい印象が一般的かもしれません。
1歳未満の乳児や赤ちゃんで、ビタミンB12が不足や欠乏している場合に、神経系の症状が出やすいという報告があります。
赤ちゃんや乳児の子供と妊婦に:
一般的に妊娠中の女性が婦人科にかかると、葉酸の栄養素を補うよう指導されることがあります。
また、実際に葉酸の栄養素をサプリメントや薬で病院で処方された経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
お腹の中に赤ちゃんが宿っている場合の妊娠中の妊婦にとって、お腹の赤ちゃんのために最善を尽くしたいと考えるのは自然なことからも、知識を身につけておくことはおすすめといえます。
その赤ちゃんや乳児において、近年はビタミンB12の栄養素の不足や欠乏状態が珍しくなくなってきているようです。
そのことからも、ビタミンB12と赤ちゃんや乳児に関係する調査報告も増えているのかもしれません。
乳児や赤ちゃんのビタミンB12不足や欠乏と神経系の症状:
2017年に報告されたスウェーデンでの研究報告によると、2004年から2012年の期間中、スウェーデン国内で入院した121人の1歳未満の幼児において、ビタミンB12の栄養素が不足していることで神経系の症状が出ていることが確認されたようです。
ビタミンB12の栄養素不足の定義には、低血清コバラミン、ホモシステインレベルの上昇、メチルマロン酸の上昇が知られています。
実際にビタミンB12の栄養素が体内で不足したり、欠乏していたりする場合に精神系の症状でも、一般的とされる症状の中に、発作(ほっさ)や無呼吸状態の症状が当てはまりまるようです。
今回の対象者である1歳未満の乳児では、29%にあたる35人の幼児においては、ビタミンB12不足あるいは欠乏している状態だったようです。
そして、それらの赤ちゃんに対してはビタミンB12栄養素補完療法が実施されました。
行われた今回の研究においては、実施後には普通の状態が維持でき、特に精神系の症状は出なかったとの結果となったようです。
以前拝読した105人の乳児又は赤ちゃんを対象に行われた海外の文献においても、今回と似たような結果が導かれたという内容がありました。
日本では、依然として妊娠前、妊娠期間中の妊婦、小さな乳児や赤ちゃんに対して葉酸の栄養素を補完するというような発想はあるものの、ビタミンB12の栄養素の補完についてはあまり耳にしないように思います。
今回の記事にしても、対象にした赤ちゃんや乳児の被験者数が十分な数に達しているとは言えないことからも、更なる調査が期待されるところです。
引用文献:
Irevall T, et al. VitaminB12 deficiency is common in infants and is accompanied by serious neurological symptoms.
Acta Paediatr. 2017;106:101-104.
情報ページ:ビタミンB12とは?