偏頭痛に関係する栄養素と予防におすすめされる生活習慣
偏頭痛の症状が人生の中で一度でも出る人の割合は先進国で増えてきているようです。
食べ物や食事に含まれる栄養素、それに生活習慣の変化などが原因になっている場合が多いそうですが、予防におすすめされる生活習慣と栄養素についての報告がありましたので、ご紹介いたします。
偏頭痛と痛み:
一般的な頭痛は一時的な頭の痛みでしばらくすると知らない間に治っていることが多いかと思いますが、もし頭痛が継続的に日々の生活に出てきたり、日ごろの生活の障害になってくると立ち止まって考える必要がありそうです。
特に6カ月以上にわたり、頭痛が出たりすることが継続して出てくる場合には、偏頭痛のくくりに分類されることになることが一般的といえるようです。
短期間の痛み止めで治るのであれば良いかもしれませんが、アメリカにおける報告の中には、痛み止めで予防できたはずの45,000もの人が一年にこの世を後にしているとも伝えられています。
また、その中でもリウマチだけに限っても16,500もの命を奪っているとの報告でした。
心臓病や梗塞のリスクを40%から最大300%増加させるという記事が世界的に知られているアメリカン・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載されたことは、アメリカ国内外で大きなニュースになりました。
生活習慣でおすすめされる予防:
偏頭痛やリウマチ性関節炎、線維筋痛症など痛みの症状を抱える患者さんが多いクリニックを経営するジェイコブ・テイテルバウム医学博士によると、患者さんが来院された場合には下記のようなSHINE(シャイン)プロトコールをまずは生活習慣の中で改めるようにおすすめされているようです。
SHINEとは生活習慣における単語の頭文字を取って付けたもので、下記の単語から構成されているようです。
Sleep 睡眠
Hormon ホルモンバランス
Immune dysfunction, Infections, Inflamation 免疫障害、感染、炎症
Nutritional Deficiency 栄養不足
Exerciese 運動
上記の5つの項目はどれも生活習慣と食べ物や食事からきていたり、それらが原因にもなっていることが多いのが特徴といえます。
同先生のクリニックにおいては、まじめにそれらの生活習慣と食べ物や食事を見直すと平均して90%において改善が見られるとのことでした。
それらを1つ1つ見直すことで複合的に生活習慣が改善されることとなり、1つだけ見直す場合よりも相乗効果が大幅に高まるようです。
特に日本国内における注意事項としては、その中から少なくとも2つ注意が必要とされています。
1つ目は睡眠時間で、日本ほど成人における平均的な睡眠時間が短い先進国は他になく、他の何かを削ってでも睡眠時間を確保することが一般的な国とは時間差が大きいといえます。
多くの国では睡眠時間は7~8時間程度の確保がおすすめされ、偏頭痛や体調が思わしくない場合には8時間以上の睡眠がおすすめされていることが少なくありません。
もう1つは、アメリカが90年代からがんになる人口が減っているのに、日本が増え続けている原因にもなっていることが報告されている野菜と果物の食べ物や食事の不足ではないでしょうか?
残念ながら、アメリカでは政府主導で大きな変化が生まれた90年初め頃とは異なり、日本では国民の健康についての予防には十分に少なくとも認知がなされているような状況にはないことが数字に出ているといえそうです。
可能性としてもう1点考えられそうなことは、アメリカでは医療費も薬剤も保険代も非常に高くつくことが予防につながっていますが、日本では税金が使用されている点が多いことからも予防よりも体調を崩した場合に病院で気軽に診ていただけるフリーアクセスの差も関係しているのかもしれません。
偏頭痛の予防におすすめされる栄養素:
テイテルバウム医学博士は偏頭痛の予防におすすめされる栄養素として、下記を含んでいます。
ビタミンB2(リボフラビン) 1日に400mg、
ビタミンB12 1日に1000mcg、
コエンザイムQ10 1日に200mg、
マグネシウム 1日に200mg。
もちろん、上記だけで偏頭痛の予防になるというわけではなく、大切なのは記載したような食べ物や食生活、生活習慣の見直しが予防にも役割がありそうです。
また、特定の食べ物に反応、不耐性や過敏症などが出ないかどうかを見ることも大切な予防の1つになるのではないでしょうか?
参考にした情報:
singh G. Recent considerations in nonsterooidal anti-inflamatory drug gastropathy. American Journal Med. 27 July 1998;105(1,suppl 2)315-385.
タウンセンド・レター 2014年11月号p53~57
情報ページ:ビタミンB2とは?