ADHDで知られる注意欠陥多動性障害の原因の可能性
ADHDの日本語でもある注意欠陥多動性障害に影響を与えている原因について可能性として報告された物質があります。
私たちが住む家庭内や家の周辺を見渡すと使用されている物質でもあるだけに、ADHDだけにとどまらず、家庭の子供や大人の健康被害の原因になっていないかどうかの確認と注意が必要といえるかもしれません。
ADHDとADDの症状や原因の可能性について:
ADHDは日本語では注意欠陥多動性障害と訳されているように、何かのものごとに対しての注意力や集中力、落ち着きが無かったり、1つのことだけにじっとできずに動いたり不注意ともいえる行動がつながったりすることなどが症状として報告されているようです。
注意欠陥多動性障害と診断される子供の中には、思いついたようなままの行動をとったり、自分が中心に物事が進んでいたり、先よりも現在のことが思考や行動の中心になっていたり、一般的にいわれるような例えば順番を守るなどといった行動がなかなかとりにくい等の行動が出たりする場合なども報告されています。
ADDについては、ADHDと比較した場合に多動性があるかないかの違いであるとの見方もあります。
いずれの症状も個性かと思いますが、ADHDもADDも脳内の情報を処理する方法に影響がある神経行動についての障害と考えられているようです。
少なくともアメリカでは全体の子供の中で5~8%程度の子供がADHDの症状を持っていると疾病管理予防センターは報告しています。
ニューヨークタイムズをはじめとする他の大きなメディアの中には、その数字は少なく見積もられていて、実際はあと数パーセント程度は多く、その数字も毎年少しずつ上がってきているのが現状ではないかとも報じられていました。
ADHDにしても、ADDにしても、具体的な確実とされる原因は不明とされているものの、研究者の多くは今まで行ってきた調査や報告書などを基にした情報によると、遺伝子(特に特定するものごとに対して人一倍好奇心が強い子供や大人に多いとされる脳内の神経伝達物質のドーパミンと関係していることでも知られるDRD4)に関わることや、食事に含まれる栄養素の偏りや欠乏と不足、中枢神経系の組織問題などが原因として当てはまる可能性があるとメイヨー・クリニックをはじめとする専門知識が高い施設などでは信じられています。
殺虫剤や農薬などの化学物質の原因と可能性:
2016年に台湾の研究チームによって発表された調査報告によると、ADHDと子供との関係を調査した報告では、殺虫剤や農薬などの化学物質の原因と、それらの可能性について報告がまとめられていました。
行われた調査では4~15歳の子供たちに対して、ADHDと診断された97人の子供と、ADHDと診断されていない110人の子供たちを対象とし、尿検査を行って調査では、神経伝達物質でも知られているアセチルコリンという物質を分解するための酵素の活性を阻害することで、なかなかアセチルコリンが分解されにくく、そのことが原因となって、神経との関係に影響が出ている可能性が報告されています。
化学物質の中でも、その調査で使用されたのは有機リン系殺虫剤についてのもので、日本国内においては、殺虫剤を含む農薬や、家庭で使用する殺虫剤とそのスプレー、家の周辺でも防除や除草薬としても使用されたり、動物向けの医薬品としても使用されていることでも知られている物質も原因の可能性として挙げられています。
それらの物質が子供の脳に影響を与えている原因にもなっている可能性が指摘されています。
子供は大人よりも身長が低く、身体や臓器が成長している段階てあることに加えて、地面に近いことや、家庭内でも小さい赤ちゃんや子供は床に近いことも、化学物質は体内により入りやすいなどの原因が考えられることからも、注意欠陥多動性障害の原因の可能性として考えられるかもしれません。
参照:PubMed( https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27070915 )